【正妻ヘラ(ジュノー)】最恐の鬼嫁はジューンブライド【ヒロインレビュー第5回】

ジューンブライド(6月の花嫁)と言えば幸せな結婚生活的な印象があるかもしれません。
ではそのジューン(June)6月の語源はご存知ですか?

それこそが今回ご紹介する女神ヘラなのです。
しかもヘラは「婚姻を司る女神」です。

なるほど、ジューンブライドですね。

ヒロインレビュー第5回は最恐の鬼嫁ヘラです

だいぶ有名な女神だとは思いますが、皆さんはご存知でしょうか。

今回も皆さまの創作の参考になれば幸いです。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

目次

そもそもヘラとはなんぞや?


女神ヘラはギリシャ神話における主人公、全能の神ゼウスの姉にして正妻です。

ゼウスの妻なので神界の女神たちの中では頂点に立つ「天界の女王」です。
当然オリュンポス12神に数えられます。

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ヘラという名には「貴婦人」という意味があります。
彼女は「婚姻」や「縁結び」といった結婚にまつわるものを司っています。
後にギリシャ神話を我が物にしたローマ神話では「ユノー(英名はジュノー)」とされ、ここから「ジューンブライド(6月の花嫁)」というものが考案されました。

ジューンブライドとは、ブライダル関係の業界が押し出した企画が定着化したものであり、別に6月が特別に神聖視されている訳ではありません。
日本の6月は梅雨時のため結婚式を避けるカップルが多く、業界的に売り上げが落ちる期間を穴埋めするためのものです。
チョコを売りたいお菓子業界がバレンタインデーをでっち上げたのと同じ構図です。
たまたまその6月=結婚の女神ヘラだった、という目の付け所は素晴らしいセンスだと思います。

ゼウスとヘラの馴れ初めですが、ある雨の中、ゼウスは雨宿りがしたくてカッコウに変化し、ヘラの服の裾から潜り込んだといいます。
なんとも可愛らしいエピソードだと思いご紹介させていただきました。

白髪白髭のゼウスの正妻であり、多くの女神の頂点であるためか、ヘラにはどことなく年増イメージがあります。
多くの映像作品でもそういうキャスティングがされる傾向にあります。

とんでもありません。
まず神々は不老不死です。
ギリシャ神話の神々は不死の神酒ネクタルを煽ります。
ヘラはというと、毎年若さを再生するという「カナトスの泉」での沐浴を欠かしません。
この泉の水は年齢を洗い流し、清らかなる処女へと戻す効能があります。
元々女神の中では三指に数えられるほどの美貌の持ち主です。
そんな女神がゼウスの気を惹き続けようと、毎年処女になる永遠の美と若さを保ち続けているのです。

しかも浮気性のゼウスに対しヘラ自身にはそういった逸話がありません。
他の男神(あるいは女神でも)との間に関係を持つようなことは一切なく、古代ギリシャでは「貞淑な妻の鑑」として崇められていました。

ヘラの嫉妬深く執念深い逸話はすべて、ゼウスが元凶なんですね。

嫉妬に狂うヘラ


ヘラというとどうしても恐妻というイメージが付きまといます。

それは何故かというと夫であるゼウスに原因があります。
彼は神界のトップに君臨していますが、英雄色を好むを地で行くタイプであり、要するにとんでもない浮気性なのです。
ヘラという正妻がいながら美女と知るや女神だろうが妖精だろうが人間だろうが手当たり次第に手を出すのです。

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その度にヘラは嫉妬に狂います。
そしてその怒りはゼウス本人ではなく浮気相手の女性やその子供に向かうのです。
ヘラによる迫害は凄まじく、かつ執念的で、中にはそれは理不尽と言えるものが散見、いや、枚挙に暇がありません。
中でも一番被害を被ったのは英雄ヘラクレスでしょう。

彼はゼウスが浮気したミュケナイの王女アルクメネの息子でしたが、その際ゼウスはこう言います。
「次にミュケナイ王家で生まれた男児がこの国の王になる」
それを知ったヘラは娘であり「出産」を司る女神エイレイテュイアに命じてヘラクレスより後に生まれるはずだった七ヶ月のエウリュステウスを先に誕生させました。
ゼウスは「ぐぬぬ」と言うだけでヘラを咎めることは出来ません。
後ろ暗いですからね。

さらに生まれた乳飲み子のヘラクレスに対し毒蛇を二匹遣わしたりしましたが、これは乳飲み子のヘラクレスがその二匹の毒蛇を掴むと引き千切って返り討ちにする結果に。
直接手を下すのは得策ではないと考えたヘラは、成長し二人の子を授かったヘラクレスから正気を奪い、錯乱したヘラクレス自身の手で二人の子供を殺害させるという精神攻撃に討って出ます。
ドン引きです。
これによりヘラクレスの贖罪の旅である「12の功業」と呼ばれるメインシナリオが始まるわけですが、それはヘラクレスの記事で。

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ちなみにヘラクレスの名の意味は「ヘラの栄光」です。
データイーストから発売されていた人気RPG『ヘラクレスの栄光』は直訳すれば「ヘラの栄光の栄光」というわけですね。

育児放棄のヘラ


ヘラはゼウスとの間に四子をもうけています。

すなわち軍神アレス、鍛冶の神ヘパイストス、青春の女神ヘベ、出産を司るエイレイテュイアです。

ヘラの実子の中で最も優秀なのは鍛冶の神ヘパイストスでしょう。
類稀な鍛冶技術を持つ彼により、オリュンポスの神々の武装は大変強化されました。
アテナの「アイギスの盾」もそうです。

しかしながらこのヘパイストス、鍛冶技術にステータスを全振りしているためか、神界一のブサメンとして生まれてきたのです。
そのためこともあろうかヘラは生まれたばかりのヘパイストスを海へと投げ捨ててしまうという育児放棄(ネグレクト)を犯してしまいます。
幸いヘパイストスは海の女神テティスとニンフたちに拾われ無事に成長することが出来ました。

しかしヘパイストスは自分を海に捨てたヘラが許せません。
彼は持ち前の鍛冶技術で見事な黄金の椅子を仕上げると、それを天界にいるヘラへの贈り物としました。
ヘパイストスの気持ちなど知らず、届いた黄金の椅子に腰かけたヘラ。
すると突然黄金の鎖が飛び出しヘラは椅子に雁字搦めに拘束されてしまったのです。
全く身動きできないヘラは謝罪するからとヘパイストスを呼びますが、彼は一向に現れません。
仕方なく酒の神ディオニュソスが酒に酔わせたヘパイストスを連れてくると、彼は交換条件を出します。

美の女神アフロディーテを嫁にほしい

神界一のブサメンが、神界一の美の女神を嫁にするという条件をヘラは飲みました。
アフロディーテからしたら知らんがな、の一言でしょうが、とにかくヘラはこうして解放されたのです。

ちなみにヘパイストスはヘラを拘束したその技術の高さを買われ、晴れてオリュンポス12神に加わったのです。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

ヘラはゼウスの浮気によって嫉妬に狂い、そして呪いと迫害に走るという、相手からしたらヒロインというよりヴィラン(悪役)だろうという役回りが多いです。
しかし彼女自身は結婚の女神であり、夫であるゼウスに最後まで尽くそうとしたのです。
そして今でもジューンブライドとして、人々がささやかなる幸せを願うのにその名が使われているという事実。
彼女こそまさしく「婚姻を司る女神」として称えられるべきなのではないでしょうか。

ギリシャ神話全体についてはこちらの記事からどうぞ!
【ザ・神話オブ神話】5分でわかるギリシャ神話の世界【サーガレビュー第1回】

それではまた!

 

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この記事を書いた人

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