【海の女神テティス】まさに母なる女神【ヒロインレビュー第18回】

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海の女神テティスはトロイア戦争の英雄アキレウスの母です。
そしてそのトロイア戦争を勃発させた原因のひとりでもあります。
しかしこのテティス、ザ・女神、とでも言わんばかりの女神オブ女神かもしれません。

言いすぎたかも。

ファンタジーの知識を知れば、より楽しい!

それでは今回も皆さまの創作活動やゲームへの没入感の参考になることを願って。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

目次

そもそもテティスとはなんぞや?


テティスとは、ギリシャ神話に登場する海の女神、あるいは海のニンフです。

「変身能力」や「予言の力」を持つとされます。

テティスは海神ネレウスの娘とされ、女神であったり、ニンフであったりと記述がバラけます。
ですが基本は女神であると思われます。

大変心優しい女神さまで、例えば「醜い」という理由でヘラによって海に投げ捨てられた幼子、後の鍛冶の神ヘパイストスを保護し育てたり、ポセイドンアテナ等に反乱を受けピンチに陥ったゼウスに唯一味方して助けてあげたり。

正直テティスに関する悪いエピソードは聞こえてきません。

しかも大変美しい女神のようで、ゼウスはもちろん、ポセイドンからも求愛されていたとか。
しかしながらテティスにはある予言が付きまとっていました。

テティスの子は父の地位を脅かす存在となる

これを聞きゼウスもポセイドンも手を引きました。
しかしもし下手に力のある神がテティスに子を生ませたら、その子は更なる力を得てゼウスを脅かす存在となるやもしれぬ。

そう考えたゼウスはテティスに人間と結婚することを勧めます。
相手はギリシャ中の英雄が乗り込んだアルゴ船の勇者のひとり、ペレウスでした。

はじめ人間との結婚を渋ったテティスでしたが、逆に人気の女神と結婚できると張り切るペレウスの熱意にほだされ承知することに。
こうしてテティスとペレウスの結婚式は盛大に行われることになりましたが、ただひとり、式に招待されなかった不和の女神エリスにより、式はメチャクチャにされてしまいます。

それでもテティスとペレウスの間に無事子供も生まれ、その子はアキレウスと名付けられました。
もちろん予言の通り、英雄になることを約束された子の誕生です。

最大の弱点を指す


生まれた元気な赤子はアキレウス。英雄として育ちます。

しかし予言の力を持つテティスは不吉な想いに駆られます。

「この子は戦争で命を落とす」

そう自ら予言してしまったのです。
それを防ぐため、テティスは赤ん坊のアキレウスを連れ、ハデスの治める冥界へと向かいます。
そして冥界を流れる五本の川のひとつ、ステュクス川にアキレウスの全身を浸けたのです。
すると全身は鎧のように頑強となり、アキレウスは不死身の肉体を手に入れました

それでも不安が拭いきれないテティスは、英雄として育ったアキレウスを戦場へ出したがりません。
時代はギリシャ連合とトロイア王国の間で諍いが起き、後にトロイア戦争と呼ばれる大戦が始まろうとしていました。
その戦争のため、ギリシャ中の英雄が呼び集められていましたが、そこにはいつまで待っても英雄アキレウスが現れなかったのです。
何度召集令状を出しても、実家に向かえを出しても、全てテティスが握り潰していました。

そして当のアキレウスはどこで何をしていたかというと、テティスの命でスキュロス島のリュコメデス王の元で、女装して女官として過ごしていたのです。
アキレウスは武骨な英雄というよりも、端正な美青年であったと言います。
下の絵で剣を手にしげしげと見つめるのがアキレウスです。

ピエトロ・パオリーニ 「リュコメデスの娘たちの間のアキレウス」 (1625-1630)

やがて居場所を突き止めたオデュッセウスにより女装がバレたアキレウスは、やはり英雄としての血が騒ぎ、後れ馳せながらトロイア戦争へと参戦しましたとさ。

テティスのミス、アキレウスの弱点

10年に及ぶトロイア戦争には神々も両軍に分かれて参戦、支援をしていました。

軍神アレス、美の女神アフロディーテ、太陽神アポロン、月と狩猟の女神アルテミスはトロイア側。
戦の女神アテナ、結婚の女神ヘラ、鍛冶の神ヘパイストス、海神ポセイドンはギリシャ側です。
ただし主神ゼウスだけは中立を保っていました。

ある時テティスはゼウスに頼みごとをします。

「ゼウス様。少しばかりトロイアにお味方していただけませんか」
「それではギリシャが劣勢となるぞ」
「それでよいのです。そうなればギリシャの兵たちもアキレウスの存在の大きさを噛み締めることでしょう」

実は一時期アキレウスはギリシャの総大将アガメムノンといさかいを起こし、戦争をサボっていたのです。
そんなときにギリシャが劣勢となればアキレウス待望論が沸き起こります。
アキレウスの価値を押し上げてやりたい。
そういうテティスの親心だったのです。

結局その後戦線に復帰したアキレウスの活躍でギリシャ側に勝利が傾きます。
ですがアキレウスは敵の放った矢を踵(かかと)に受け、絶命してしまいます。
テティスの不吉な予言は当たってしまったのです。

実は全身不死身のアキレウスでしたが、唯一、足の踵だけは違ったのです。
何故ならテティスは赤子をステュクス川に浸ける際、踵を掴んでいたからです。
でないと溺れたり流されたりしちゃいますからね。

この事から物事の「弱点」を指し示す言葉として、「アキレス腱」の語源となりました。

まとめ

  • テティスは海の女神にして英雄アキレウスの母である
  • 結婚式にエリスを呼ばなかったため、結果的にトロイア戦争が始まることになった
  • 彼女の予言能力は外れない

いかがだったでしょうか。

テティスは美しく、また保護者としての面が強い優しい女神です。
ヘパイストスを保護したこともそうですが、アキレウスに対する過保護な面もまた印象が強く、海の女神らしい「」の面を全面に出した女神かもしれません。

しかし時系列はどうなっているのか?
実はテティスの結婚式をエリスがぶち壊したことで、アフロディーテがトロイアの王子パリスに美女ヘレネを与える流れになります。いわゆる「パリスの審判」という逸話です。
その結果10年に及ぶトロイア戦争が勃発するのですが、パリスの兄ヘクトールとライバル関係になるのがアキレウスなんです。

アキレウスいつ生まれてるんですかね?
結婚式当時すでに10歳ぐらいなんでしょうか?

それとも戦争が始まるまで、パリス王子がアフロディーテを選んでからも長い長い時間が立っているのか?

この辺はアキレウス本人の記事を作ることでしっかりリサーチしてみたいと思います。

それではまた!

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この記事を書いた人

漫画家になりたくて毎週のように出版社へ持ち込みをしてた人。
ケータイ用ミニゲームイラスト、アンソロジーコミック経験有。
執筆したファンタジー小説を投稿サイトにて公開中。

三匹のカエルと七人の闇堕ち姫
小説家になろう/ノベルアッププラス

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