みなさん、フィギュアはお好きでしょうか?
ガレージキットからプラモデル、ソフビなど。
一個ぐらいどの家庭にもありそうなものですよね。
さて人類最初のフィギュアとは、どんなものなのかご存知ですか?
それは実はゴーレムのようなのです。
今やゲームからマンガからあらゆる創作物に登場しているいわゆるモンスター、そのゴーレムです。
今回はそんなゴーレムの作り方から壊し方まで調べてみました。
結構な人気モンスターだと思うのですが、それってやはりロボだからなのでしょうか?
そうでしょう?
ゴーレムと聞くと多分みなさんはロボめいたデザインを想像したりしませんか?
でもああいうデザインっておそらく近年、それこそゲームやマンガが生まれて以降からだと思うんです。
少なくとも19世紀産業革命以後、機械が我々の生活に馴染んでからだと思います。
しかしですね、実はゴーレムは古代から存在します。
なにが言いたいかというと、かつてのゴーレムはたいてい人間の姿を模した人形のようであったということです。
ファンタジーの知識があれば、より楽しい!
それでは今回も皆さまの創作活動やゲームなど、没入感の参考になることを願って。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
そもそもゴーレムとはなんぞや?
ゴーレムとはユダヤの律法学者(「ラビ」といいます)が作ることのできる、動く土人形のことです。
ヘブライ語で「胎児」「土塊」という意味があります。
魔法による命令で動く人型をした造形物で、製作者の命令のみを聞きます。
材料は泥と水のみ。
神の名を書いた紙、または「emeth(エメス=真理)」と書いた羊皮紙(シェームといいます)を額、もしくは舌の下に貼り付けることで動き出します。
剥がせば機能停止します。
ユダヤ教のルールでは「必要ないときには休みを与えるべし」といわれ、このルールはゴーレムにも該当します。
ですので命令が完了したらシェームを剥がして休憩させましょう。
命令を完了してもシェームを剥がし忘れたりすると暴走します。
処分方法は「emeth」の頭文字「e」を消すことで「meth(メス=死)」となり、ゴーレムは崩れ落ちます。
一見便利なゴーレムですが、知能は低い、というか無いため、単純な命令しか受け付けません。
例えば「殺せ」と命じたら、相手が命乞いをしても殺すまで止まりません。
ゴーレムの作り方
まずお断りしておきたいのは、ゴーレムは非常にレアな存在であるということ。
そもそも製造事態とても困難です。その理由としては以下。
- 技術、知識を持つ者が少ない
- 製作に何ヵ月もかかる
- 高額な費用もかかる
- そのため一度に一体ずつしかお目にかかれない
さてでは製造方法についてですが、神による世界の創造を描く『セーフェル・イェツィラー(創造の書)』というユダヤ教の教典によると、
- 山で採取した土を新鮮な泉の水で練る。
- 人形を形作る際、各部に応じた呪文を唱えながら創る。
- 完成したら呪文を唱えながら人形の周りを時計回りに回ると動き出す。
- 逆に反時計回りに回ると土に戻るそうです。
ほとんど「魔法」みたいなものですね。
他にもゴーレムを動かすルールがいくつかありますが、特に以下の二点。
- 部屋から出してはいけない
- 昼間しか動かしてはいけない
といった具合です。
そのため宝の番人として扱うのが最適な使い方かもしれませんね。
素材別ゴーレム
強固な身体は剣や弓では傷付かない。
魔法の武器による攻撃しか受け付けない。
眠りや混乱など精神異常を引き起こす魔法は無意味。
そんなゴーレムですが、製作に使う材料によって弱点は異なります。
基本は泥で創られます。
そのように土で創られた基本型を「クレイゴーレム」といいます。
『ドラゴンクエスト』を例に出すとゴーレムはレンガを積んだようなデザインですね。
他にも石の「ストーンマン」
黄金の「ゴールドマン」などもいました。
全体的な基本ルールとして、名前の頭に素材名が付くことが多いです。
石でできた「ストーンゴーレム」
鉄でできた「アイアンゴーレム」
骨でできた「ボーンゴーレム」
木材でできた「ウッドゴーレム」
琥珀でできた「アンバーゴーレム」や死体でできた「フレッシュゴーレム」なんてのもいます。
ゴーレムの実例
最も典型的なゴーレム像は、19世紀オーストリア人作家グスタフ・マイリンクの著作『ゴーレム』です。
ボヘミア王に仕える律法学者レーヴは、作成したゴーレムに教会の鐘を突く仕事を与えます。
しかしある日レーヴはゴーレムのシェームを外し忘れて外出してしまい、帰ってみるとゴーレムが暴走し破壊の限りを尽くした後でした。
慌てたレーヴはこっそりゴーレムを屋根裏部屋に隠しましたとさ。
この他にもっと有名なゴーレムがあります。
いくつかご紹介すると、
「アダム」
言わずと知れた知恵の実を食した最初の人間です。
神は自分に似た姿をした人間を泥から創り生命を与えました。
ということはですよ、私たち人類はゴーレムに分類されるんですよ。
「タロス」
ギリシャ神話の鍛冶の神ヘパイストスが創った青銅の巨人です。
クレタ島を守護する任を受け、アルゴ探検隊と戦いました。
「フランケンシュタインの怪物」
フランケンシュタイン博士が死体を継ぎ合わせ造り出した怪物も種別的にはフレッシュ・ゴーレムですね。
このようにかつてのゴーレムは基本人間に似た姿をしています。
現在のまるでロボのようなデザインは現代ならではの産物と言えますね。
そういう意味ではガンダムもヱヴァンゲリヲンもゴーレムでしょう。
ゴーレムの出てくる作品
『BASTARD!! 暗黒の破壊神』
15年前、D.Sが中央四王国に仕掛けた戦争がそのものズバリ「魔操兵戦争(ゴーレム・ウォー)」といいます。
復活を遂げた本編でも序盤からメタ・リカーナ城地下に安置されていたゴーレムを起こし、ヒドラと格闘させたりと派手な活躍を見せてくれます。
『ハーメルンのバイオリン弾き』
作中屈指の盛り上がりを見せたスフォルツェンド魔法大戦の直後、スラー共和国にパンドラの箱を奪いに来た妖鳳王(ホーク・キング)サイザーが現れる。
スラー共和国は人類最強国家として、人馬騎兵や鉄巨兵というゴーレムを戦力としている。
正直ここで登場する5人の王子王女は使い捨てにするにはもったいないキャラでした。
全身刃とか全身ゴムとかそういった奴らです。オススメ。
『甲竜伝説ヴィルガスト 消えた少女』
元々はガチャガチャのフィギュアからメディアミックス展開を狙ったファンタジー作品。
スーパーファミコン版はコマンド式RPGとして発売。
中盤にエンカウントする雑魚モンスターとして登場するゴーレムはどこか既視感のある青いデザイン。
まさに鉄人!
まとめ
いかがだったでしょうか。
ファンタジーにおいて、機械関係に関するものは片っ端からゴーレムの名を冠すればそれっぽくカッコイイという。
なんとも便利な逸材だと思いませんか?
これを使わない手はないでしょう。
あとはあなたのアレンジ次第。
新たなゴーレム像はまだまだ産み出せると思うんですよ。
創作のネタに使うもよし。
遊んでいるゲームなどで出会えたならば、今後は知識をもってお相手することも出来るかと思います。
皆様になんらかの思いを残せたことを願って。
それではまた!
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