【軍神アレス(マルス)】メチャクチャ弱いツッパリヤンキー【ヴィランレビュー第2回】

人類史というのはやはり戦争の歴史です。
そのため世界中に戦を司る「軍神」は存在します。
中でも「最弱」筆頭候補に挙げられるのが今回ご紹介するギリシャ神話の軍神アレスでございます。

というわけで、

名のある悪役を取り上げる

ヴィランレビュー第2回は軍神アレスです

アレスはゼウスの実子でオリュンポス12神にも名を連ねる文句無しのサラブレッドです。
しかしこれが滅法弱い!
意外ですよね。
有名な神だとは思いますが、皆さんどれ程この軍神についてご存知でしょうか。
そして今回カテゴリーは「ヒーロー」ではなく「ヴィラン」、悪役に分類させていただきました。
これはいったいどうしたことでしょう?

それでは今回も皆さまの創作の参考になれば幸いです。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

ギリシャ神話全体についてはこちらの記事からどうぞ!
【ザ・神話オブ神話】5分でわかるギリシャ神話の世界【サーガレビュー第1回】

目次

そもそもアレスとはなんぞや?


アレスとはギリシャ神話に登場する神であり、オリュンポス12神に名を連ねる軍神です。

<関連記事>
【オリュンポス12神】ギリシャ神話のレギュラーメンバー【サーガレビュー第2回】

父はゼウス、母はゼウスの正妻ヘラ
弟に鍛冶の神ヘパイストス、妹に青春の女神へべ、出産の女神エイレイテュイア。

最高神ゼウスの長男であり、正当な後継者の位置にいる恵まれた環境ですね。
しかしながら粗野で乱暴、野蛮で残忍、不誠実で雑な性格をしており、軍神といわれるだけに大変荒っぽいお方であります。

「城壁の破壊者」という異名を持ち、戦場では味方を勝利に導くよりも、どれだけ自分が気持ちよく暴れられるかが重要。
その戦いぶりはとにかくひたすらに攻撃、攻撃、攻撃の物理ゴリ押しタイプ。
敗走」を象徴とするフォボス、「恐慌」を象徴とするデイモス、「不和の女神」エリスといういかにもな従者を引き連れていたというからさもありなん。

同じく「戦」を司り、知略に長けた戦術タイプの女神アテナとは反りが合わず、それぞれ敵味方に分かれて戦うこともありました。
ところがアレスは一度としてアテナに勝ったことはないという。

正直古代ギリシャの人々からは一番の嫌われ者で、実父のゼウスにすら「オリュンポスにいる神の中でお前が一番キライ」とまで言われる始末。

ところが、である。
荒っぽい性格をしているが、端正な肉体美と精悍な面構えから女子に滅法モテるのです。
中でも一番の愛人となるのが美の女神アフロディーテ
この辺の女性心理は理解しがたいですが、何故かモテるヤンキー理論は古代人類史どころか神話の時代にまで遡るのですね。

生涯戦績、敗北の歴史

VSアテナ

アレスがアテナにこっぴどくやられた戦といえば「トロイア戦争」でしょう。

トロイア戦争とはトロイアとギリシャ連合が、スパルタの王妃ヘレネを取り合って10年も続いた人間同士の戦争です。
両軍それぞれに神々が味方に付くことでこじれにこじれました。
トロイの木馬」で有名ですが、近年この戦争は実際にあった史実であることが、遺跡が発掘されたことで明らかになりました。

アレスはトロイア側、アテナはギリシャ連合に付いていました。

そこでアレスは神でありながら直接人間たちのいる戦場で大暴れ。
彼からしたら難易度EASYの無双状態。
それを懲らしめるためアテナがディオメデスという英雄に加護を与え、アレスの投げた槍を逸らさせ、逆にディオメデスの投じた槍をアレスに命中させます。
いかにアテナが付いていたとは言え、人間に負けるのも大概ですが、下腹部を槍で貫かれたアレスは思わず悲鳴を上げると一目散にオリュンポス山へと逃げ帰ってしまったのです。
そして父であるゼウスにすがり、あの人間に罰を与えてくれよ! と泣きついたとまで言われています。
ちょっと情けないですよね。

しかもそのときゼウスになんと言われたか。
このオリュンポスにいる神々の中でお前が一番キライだ」とハッキリ言われてしまうんですね。

その後、逆恨みしたアレスはアテナに一騎討ちを申し出ますが、アイギスの盾を構えるアテナに全ての攻撃を弾き返され完敗
物理攻撃しかしない脳筋ですからね。
怒ったアフロディーテもアテナに挑みますが、戦闘に関してはアテナに敵うはずもなく。
恋人のアフロディーテが悲鳴を上げてるなか、アレスはとっくに気絶していたという事です。

VSヘラクレス


ヘラクレスにも完敗しています。
ヘラクレスも同じゼウスの血をひいていますが、半分は人間です。
そのヘラクレスがパガサイの野で旅人を襲い、その骨で宮殿を建てていたアレスの息子であるキュクノスを退治しました。
すると怒ったアレスがヘラクレスに襲いかかりますが逆にボコボコにされます

また、ヘラクレスが十二の功業で行った人喰い馬の捕獲でも、その馬を飼っていたトラキアの王はアレスの子でした。
残忍な性格を受け継いでいたようですが、ここでもヘラクレスにボコボコにされています

女神ヘラがヘラクレスを執拗なまでに憎んだのは、もしかしたら人間でありながら我が子アレスより秀でていた事に気付いた、やっかみもあったのかもしれませんね。

<関連記事>
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他にも巨人の兄弟アローアダイに青銅の壺に閉じ込められ、ヘルメスに助けられるまで十三ヶ月もの間、何も出来ずに泣いていたこともありました。

こんな具合の軍神アレスですが、これが何故だか女子に大人気だったりするんです。



何故だかモテるヤンキータイプ


こんな荒くれ者のアレスですが、これが滅法女子(女神)に人気がありました。

悪ぶってるとカッコよく見えるのか、乱暴でも強い男に庇護されたい心理なのか。
確かに筋肉質で肉体美を誇り、整った顔立ちは精悍さを滲ませ、黙っていればイケメンであり、かつゼウスとヘラの息子という家柄も申し分なし。

モテるんですね、アレスは。

中でも最高の女と言えるのが「愛と美の女神」アフロディーテでしょう。

VSヘパイストス

アフロディーテには旦那がいます。
鍛冶の神ヘパイストスです。
ヘパイストスは類稀なる鍛冶技術の持ち主ですが、実は神界一のブサメンです。
そんなヘパイストスにアフロディーテが満足するはずもなく、他の男神との不倫に明け暮れます。
その一番の相手となったのがアレスです。

ちなみにアレスとヘパイストスは兄弟です。
弟の嫁を兄が寝取ったのですね。

なので二人を懲らしめてやることにしました。
ヘパイストスお手製のベッドで二人が楽しんでいると突然拘束具が飛び出し、あられもないままの姿で二人とも拘束されてしまいました。
そして二人の痴態が晒され大勢の笑い者になったのです。

もうアレスイイとこなしです。

『ローマ神話』


ギリシャ神話は後にローマ帝国によるローマ神話に吸収されるのですが、ここからアレスのターンが始まります。

彼は軍神マルス(英名マーズ)として軍人たちに崇拝されるようになります。
そしてローマ建国の英雄ロムルスの父という設定になるのです。

ちなみに3月(March)の語源はマーズ(Mars)であり、冬の間停戦していた戦争が、春になって再開することから軍神の名が付けられました。

さらに火星(Mars)にはフォボスとデイモスと名付けられた衛星があり、これはもちろんアレスの子であり戦場の従者であった二人から名付けられました。
こっちは英名とかないんだね。

まとめ

いかがだったでしょうか。

ヤンキーなら雨の中、捨てネコ拾うぐらいの優しさは見せますが、アレスにそれはありません。
ただひたすらに暴れて負ける。
しかしところ変わればそれが最も価値あることだと崇められる。
そんなことを体現している神なのではないでしょうか。

それではまた!

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