ラドンと聞いてあなたはどのラドンを思い浮かべますか?
大半の人が「東宝三大怪獣」であるラドンを思い浮かべませんか?
次いで多いのは元素としてのラドンを含有する放射能泉「ラドン温泉」を思い浮かべませんか?
今回ご紹介するラドンはそのどちらでもありません。
ギリシャ神話からです。
といってピンとくる人は少ないのではないでしょうか?
いや、知っていて当然、と思われる方はかなりの知恵者とお見受けいたす。
どうしても怪獣としてのラドンが強いですからね。
ただゴジラに出てくるラドンは海外では「ロダン」と言うそうですよ。
ということで今回はラドンについて、一緒に学んでいきましょう!
最後までお読みいただけると幸いです。
そもそも黄金の林檎とはなんぞや?
「黄金の林檎」とは全能の神ゼウスに女神ヘラが嫁いだ際、ゼウスの祖母である大地母神ガイアから二人に贈られたものです。
はい、今回も舞台はギリシャ神話でございます。
ギリシャ神話全体についてはこちらの記事からどうぞ!
□【ザ・神話オブ神話】5分でわかるギリシャ神話の世界【サーガレビュー第1回】
この黄金の林檎はどこにあるかと言うと、世界の西の果て、昼夜の境界にある「ヘスペリア」という国の「ヘスペリデスの園」にあります。
ん~、ファンタジーですね。是非とも行ってみたい。
意味は「黄昏の娘たち」で単数形だとヘスペリス。
天空を支える巨人アトラスの娘たちで、ラドンと共に黄金の林檎を護っています。
この黄金の林檎は食せば「不死」を得られる大変貴重な物だそうです。
それではラドンとはどんな怪物?
ラドンは怪物テュポーンとエキドナの間に生まれた多頭竜です。
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百の頭を持ち、それぞれが違う鳴き声を発し、さまざまな言語を駆使する。
鱗は赤茶色、口から炎のブレスを吐き出します。
ほらね。
もう東宝のラドンとは似ても似つかないでしょう?
そもそも東宝のラドンは翼竜プテラノドンから来ているので全く関係はないのです。残念。
ラドンはその体を黄金の林檎の木の幹に巻き付かせ、不眠不休で番をしているそうです。
これでは黄金の林檎を手に入れるのはあきらめざるを得ませんね。
だがこの林檎を無謀にも手に入れようとした英雄がいました。
ヘラクレスです。
ヘラクレス11番目の功業
ヘラクレスはゼウスが不倫して生まれた半神半人の英雄です。
そのためヘラに疎まれ発狂したヘラクレスは、妻と我が子を自ら手にかけてしまいます。
我に返ったヘラクレスに太陽神アポロンが助言をし、その功罪として「12の功業」と呼ばれる12個の試練が与えられました。
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その11番目がラドンの守る黄金の林檎を手に入れるというものでした。
ということはヘラクレスと同じようにすれば誰でも黄金の林檎を手に出来るのではないでしょうか?
しかしヘラクレスがどうやって林檎を手に入れたのかは諸説あります。
そのいくつかを見てみましょう。
2番以外マネできそうじゃないですか?
結局ラドンはヘラクレスの前に倒れてしまいます。
しかし林檎を護ろうと頑張ったラドンの功績をたたえ、女神ヘラはラドンの亡骸を星座に変え、夏の夜空へと舞いあげたのです。
それが8月上旬、北の夜空に輝く「竜座」です。
竜座っていまいちマイナーでしょうか。
『聖闘士星矢』のドラゴン紫龍が着ていたブロンズクロスと聞けば一気にメジャー感でてきませんか?
常に北を指し示す「北極星」は、実は約2万6千年周期で別の星と交代しています。
現在の北極星は小熊座のポラリス。
約2万年後、次の北極星候補は琴座のベガです。
これは地球の自転軸を北極方向にまっすぐ伸ばした延長上の星を指すもので、これは勢いのなくなったコマのようにブレてしまうからです。
歳差運動というようですが、難しいことはよくわからないので、ここではまあそういうものだと思って終わりにさせてください。
ラドンの出てくる作品
『真・女神転生』
伝説の通りにファイアブレスを撃つ強力なボスモンスター。
電撃系のマハジオンガが有効なのは、ゼウスが雷を使うからだろうか。
倒すと「おうごんのりんご」が手に入るのも伝説の通り。
まとめ
いかがだったでしょうか。
怪物の母として知られるギリシャ神話のエキドナから生まれたとされるラドン。
そのため兄弟にはケルベロスやオルトロスやヒュドラやスフィンクスやスキュラといったそうそうたるメンバーが並びます。
だからラドンって目立たないんですよね。
見た目的にもヒュドラとなんかかぶってるし。
けどそれだけに創作ネタとしてはいろいろまだまだ使えるのではないでしょうか?
皆さんチャレンジしてみませんか?
その時は是非教えてくださいね。
それではまた!
百の腕とか、百の目とか、百の頭とか。
おそらく「百」というのは「たくさん」という意味でしょうから、実際に百個あるわけではないと思います。
それじゃつまらない?
じゃあ百個あるってことでいーか、別に。