【断罪のエリニュス】美の女神のダークサイド【ヒロインレビュー第15回】

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エリニュスは刑を執行する女神たちの総称です。

主な面子はアレクトー、ティシポネ、メガイラの三女神。

まるでSMの女王様のように恐ろしい彼女らについて、今回も皆さまの創作の参考になれば幸いです。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

目次

そもそもエリニュスとはなんぞや?


エリニュスとはギリシャ神話における、罪人に罰を与える三人の女神たちの事である。

元々はエリニュスと呼ばれる者は大勢いたが、時が経つにつれその数は3人にまで絞られた。

アレクト「止まない女」
ティシポネ「殺人に復讐する女」
メガイラ「妬む女」

彼女たちの誕生には大物が関わっている。

初代支配者である天空神ウラノスは、そのあまりの暴挙の末に妻である大地母神ガイアとその息子クロノスにより、アダマスの鎌で男根を斬り飛ばされ追放されてしまった。

これはゼウスが誕生するより以前、ギリシャ神話の序盤のエピソードですが、この斬り飛ばされ海中に没した男根の周囲に湧いた泡から、愛と美の女神アフロディーテが生まれました。

ただそれだけではありません。
斬り飛ばした際、飛び散った鮮血を浴びたガイアからも大勢の女神が生まれました。
その彼女たちがエリニュスです。

前述の通り、最初期にエリニュスは大勢いたのですが、それらはガイアから生まれたのです。
そして同じようにウラノスの男根から生まれたアフロディーテとは違い、彼女たちは恐怖の対象でした。

アフロディーテの持たない性質を持つ、エリニュスは美の女神の暗黒面を顕在化した存在なのです。

ここでひとつ、皆さんに残念なお知らせがあります。

エリニュスは美しく描かれることがほとんどないのです。
何故だ。古代ギリシャの人々よ!

普段は冥界のエレボスという場所に住んでいます。
その姿は黒衣の老婆で、毛髪は蛇であったり、背中には真鍮製の蝙蝠の羽、黒い肌にこれまた真鍮の爪、血の涙を流しているという。

親殺しや女、子供、老人など、弱者に対する虐待を特に許さず、青銅の鋲がついた鞭打ちなど、罪人に対し厳しい罰を与える。

ところでギリシャ神話では、神格の高い光の女神には対をなすかのように暗黒面の強い存在が設定されます。
このアフロディーテに対するエリニュスたちや、戦女神アテナに対するメデューサでお馴染みゴルゴンなどがそうです。

神罰の代行者


エリニュスは特に母親に対する暴力や、老人に対する若者の無礼を許しません。

トロイア戦争で勝利したギリシャ連合総大将アガメムノンは、長年留守にし過ぎたせいで、妻のクリュタイムネストラとその愛人アイギストスに殺され、息子のオレステスも命を狙われました。

しかしオレステスは姉のエレクトラに助けられ、逆に母とその愛人を殺してしまうのです。

たとえ正当防衛だろうと母殺しは許さない。

エリニュスたちによってオレステスは狂気に陥らされてしまいます。
それはさすがにないよ、と太陽神アポロンがオレステスを正気に戻し、アテナも加わりオレステスを弁護したことで無罪放免が決定しました。

この決定にエリニュスたちは不服を唱えますが、アテナに慈悲の心も身に付けるよう諭されます。

合わせて、エリニュスの名は口にするのも憚(はばか)られるほど恐れられた為、逆に「慈愛の女神たち」という意味のエウメニデスと仮に呼ばれる事があったといいます。

まとめ

  • エリニュスは総称であり現在は3人の女神がいる
  • 同じウラノスの男根から生まれたアフロディーテの暗黒面の顕在化とされる
  • 罪人に罰を与える恐怖の執行者として恐れられる
  • 特に母や老人に対する若者の非礼に厳しい

いかがだったでしょうか。

確かにマイナーな女神たちかもしれません。
創作の世界で彼女らの登場している作品としては『ファイブスター物語』ぐらいしか思い付きません。
FSSではアレクトー、ティスポーン、メガエラの三人のファティマとして、それでも名前を拝借している程度。

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でもですよ。
逆にこれから創作で使おうと思えば如何様にもアレンジ出来るというものではありませんか。

それにしても罪人に罰を与える役割に女神を割り当てるなんて、古代ギリシャの人々もなかなかにフェチだったんでしょうかね。

それではまた!

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この記事を書いた人

漫画家になりたくて毎週のように出版社へ持ち込みをしてた人。
ケータイ用ミニゲームイラスト、アンソロジーコミック経験有。
執筆したファンタジー小説を投稿サイトにて公開中。

三匹のカエルと七人の闇堕ち姫
小説家になろう/ノベルアッププラス

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