【牛頭の怪物ミノタウロス】迷宮に閉じ込められた、実は悲劇の王子様【モンスターレビュー第6回】

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ミノタウロス。
牛の頭に体は人間。
怪力を誇り巨大な戦斧を振りまわす怪物。
迷宮で男女それぞれ七人の生贄を待ち受ける。
迷宮から逃れる術はない。
生きて帰ることは不可能なのだ。

ファンタジー系のゲームをしていると、コイツと出会う頻度が割かし多いことに気付きます。
牛の頭に筋肉マッチョな人間の体。
なんともわかりやすいパワーファイターに創作ネタとしては使いやすいのなんのって。
ではこのモンスター、実はとっても可哀そうな奴なんです。

ファンタジーの知識を知れば、より楽しい!

それでは今回も皆さまの創作活動やゲームへの没入感の参考になることを願って。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

目次

そもそもミノタウロスとはなんぞや?


ミノタウロスとは、ギリシャ神話に登場する牛頭の怪物です。

  • 牛頭で斧振り回すマッチョ系
  • だいたい中堅レベルのモンスター扱い
  • 魔法使うなど知性的なことは皆無

皆さんのイメージするところはだいたいこんな所ではないでしょうか。
図体のでかいキャラは最初に主人公にやられるパターン(「最初はどすこい」と言うらしい)のせいで登場回数が多いわりに扱いが悪いモンスターの筆頭かもしれませんね。

しかしミノタウロス、その正体はなんと、クレタ島のミノス王の息子アステリオスといい、要するに王子様なんですよ。
童話や民話にも姿を動物に変えられる王子様というのは結構いらっしゃいますよね。
ディズニーの『美女と野獣』とか、グリム童話の『カエルの王子さま』とか。
彼らは呪いでその姿を変えられていました。
そして最後は愛によって幸せな結末を迎えることになるのですが……。

ミノタウロスと呼ばれたアステリオスはどうでしょう?
彼も呪いで牛頭の怪物にされたのでしょうか? いやいや、彼は生まれた時から牛の頭なんです。
それは何故か?
母親である王妃パシパエが、正真正銘、愛した牛との間に設けた子供であるからなんです。
要するにミノタウロスことアステリオスは、牛と人間のハーフなんです

ハーフエルフならぬ「ハーフビーフ」とでも言いましょうか。

ではまずはこの牛頭怪物のルーツをたどってみましょう。

ミノタウロスは雄牛と人間との間から生まれたモンスター

結論から言いますと、アステリオス(ミノタウロス)は退治されておしまいです。

ミノタウロスのお話を簡単に記すと、海神ポセイドンから白く立派な雄牛を借りたミノス王。
後で返すと約束したのにちゃんと返さないミノス王にポセイドンがキレます。

ならお前の妃パシパエの推しイケメンをこの雄牛にしてやる!

なんとポセイドンにより王妃パシパエがその雄牛に本気の恋をしてしまったのです。
そしてその雄牛と交わった王妃が生んだ王子アステリオス、彼は牛頭の怪物として生を受けたというわけです。

これにはミノス王も困りました。
息子を他人様には見せられない。けれど殺すのは忍びない。
そこで名工ダイダロスに広大な迷宮(ラビリンス)を作らせ、そこに閉じ込めてしまったのです。
迷宮(ラビリンス)は広大で複雑、絶対に脱出不可能というものでした。
さらに毎年アテネの街から男女七人ずつ、生贄(エサ)として迷宮へ放り込むことにしました。

ある時、英雄志望の青年テセウスが現れます。
彼は七人の生贄の一人として迷宮に入り込み、ミノタウロス退治をやってのけたのです。
テセウスに一目惚れしたミノス王の娘アリアドネが、迷宮の外に糸を結び付け、この糸を辿れば無事に出れると助言しました。
お礼は私と結婚してくださいね」と言って。

結局ミノタウロスはテセウスにより退治されてしまいました。
別に生贄を頼んだ覚えもないのに迷宮に閉じ込められて退治されておしまいの人生。
なんとも不憫ですよね。

創作の世界ではどんな扱いか

もう単純なパワーファイター。
よく出るおかげで認知度も非常に高いですよね。

少し変わったミノタウロスをいくつかご紹介。

『リトルマスター』

ゲームボーイで2作、スーパーファミコンで1作発売されたSRPGです。
なんとホルスタインデザインのミノタウロス、だるモーモーというキャラが主役級の扱いです。
白と黒の乳牛柄のミノタウロスという奇抜なデザインでしかも主役級。
是非遊んでみてください。

『ラストハルマゲドン』

人類が滅んだ未来において魔物たちが宇宙からの侵略者と戦う異色のRPG。
モンスター側にミノタウロスが当然のようにいます。
こうしてみると意外と扱いいいなミノタウロス。

『ファイナルファンタジー』

1作目から登場します。
通常のミノタウロスだけでなくなんとミノタウロゾンビというアンデッド型まで出ます。
3作目ではミノタウロスの劣化版「うしにんげん」というのまで出現!

まとめ

いかがだったでしょうか。

まさに悲劇の王子!
神話ルーツではミノタウロスは一個人でありますが、創作界隈ではミノタウロスは種族として存在していますね。
意外とポセイドンの不興を買って牛に恋する魔法をかけられている人が多いようです!

それではまた!

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この記事を書いた人

漫画家になりたくて毎週のように出版社へ持ち込みをしてた人。
ケータイ用ミニゲームイラスト、アンソロジーコミック経験有。
執筆したファンタジー小説を投稿サイトにて公開中。

三匹のカエルと七人の闇堕ち姫
小説家になろう/ノベルアッププラス

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