【最強の幻獣バハムート】神の傑作2体の力を併せ持つ魚! 【モンスターレビュー第36回】

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最強の幻獣バハムート
ファンタジー界のドラゴンとしては王者の風格すら漂います。
今やすっかり『ファイナルファンタジー』シリーズのオモチャと化してしまいましたが、その原典はご存知でしょうか?

もともとはおさかなだったんですよ。魚。
とてもマイナーなモンスターなのに、今ではとてもメジャーなドラゴンですよね。
何故これほどの知名度を得たのか?
なんと言ってもそれはフィクション、創作の力に他なりません。

ところで皆さんはバハムートについて、一体どれほどのことをご存知ですか?
実はあのイエス・キリストを卒倒させてしまったこともあるのですが。

ファンタジーの知識を知れば、より楽しい!

それでは今回も皆さまの創作活動やゲームへの没入感の参考になれば幸いです。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

目次

そもそもバハムートとはなんぞや?

  • ほぼ最強の召喚獣
  • 巨大なドラゴンで、「メガフレア」なる爆炎ブレスを吐く
  • 「改」「零式」などの上位種がいる

こんなイメージで固定されてますでしょうか。

ファンタジーに詳しい方ならバハムートが実は「陸の王者」「獣たちの王」ベヒーモスと同一である、ということまでご存知かと思います。
その通りです。

旧約聖書』のベヒーモス(behemoth)がイスラム圏に渡った際、アラビア語読みに変化したのがバハムート(bahamut)なのです

それではベヒーモスについて調べればバハムートに関してはもう終わり?
いえいえ、バハムートにもちゃんと独立したエピソードがありますよ。

イエスが見た巨大魚


アラビアンナイトで有名な『千夜一夜物語』第496夜にて、イエス・キリスト(イスラム圏ではイサ)が、バハムートを目撃したくだりがあります。

『千夜一夜物語』とは。
あるところに后に不倫され女性を信じられなくなった王様がいました。
王様は后の不倫を防ぐため、毎日新しい妻を娶り、そして毎朝その妻を殺すという暴君になってしまいました。
国中が困っていたところ、大臣の娘シャハラザードが自ら后へと志願します。
そして王に向かい毎晩面白い物語を語り聞かせました。しかもいいところで続きはまた明日、と区切るのです。
こうして毎晩、千夜をかけて王様の目を覚まさせるというお話です。

シャハラザード、ほぼ3年間毎日連載するという、並外れた創作力の高さを感じさせる女傑です。

その『千夜一夜物語』の中にバハムートの出てくるお話があります。

イエスはアラーの許しを得て、人間で唯一バハムートを見ることになります。
それは高速で泳ぐ巨大魚でした。
まばゆい光を発しながら近づくバハムートにイエスは気を失ってしまいます。
そのまま三日三晩がたち、ようやく目を覚ますと、なんとまだイエスの前を泳いで横切る最中だったのです。
途方もない巨大さを表した逸話ですね。

それもそのはず。
アラブの宇宙観では、この世界はいくつもの層に分かれていて、バハムートはこの世界を支えるひとつなのです。

バハムートの上に巨大な雄牛クジャタ
その上にルビーの岩山
その上に天使たちが立ち、七つの大地を支えます。

バハムートの下には海が広がり、さらにその下には虚空と、そして地獄があります。

なぜ魚からドラゴンへとなったのか


バハムートが元はベヒーモスであった事はお伝えした通りです。
ですが名前の読み方が代わるのはわかるとして、なぜカバ、あるいは象のような生物から魚になってしまったのか?

実は神の造りしベヒーモスには対となる存在がいました。海魔リヴァイアサンです。

イスラム圏にベヒーモスが輸入され、名がバハムートに変わる際、何故だかリヴァイアサンについては伝わらなかったようなのです。
ただしリヴァイアサンの海に関する特徴だけは伝わったようで、そこで象だとおかしいと思ったのか、ひとつに統合される際にバハムートは巨大なお魚さんとされてしまったのです。

しかし考えてみればベヒーモスとリヴァイアサン、二つの最強生物が合わさったのがこのバハムートということは、故に最強、と言われて納得してしまいますね。

ただし、このままではまだ魚です。
我々が親しみを持つバハムートはドラゴンです。
いつ魚からドラゴンになったのでしょう?

バハムートをドラゴンにしたのはRPGの元祖『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』です。

RPGというゲームを世に送り出す際、大量のモンスターが必要になります。
D&Dではバビロニア神話に登場する女神ティアマトを悪のドラゴンとデザインしました。
ティアマトは女神なのですが、多頭竜として描かれることも多いです。
その対になる存在として、同じように水に関連したバハムートを引っ張り出してきました。
そして魚から善のドラゴンへと改装されたのです。善ですよ。

D&Dの影響が色濃い初期の『ファイナルファンタジー』シリーズでは当然、バハムートはドラゴンとして描かれたというわけです。

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ウィザーズ・オブ・ザ・コースト(Wizards of the Coast)

FFシリーズのバハムート

バハムートは『I』から登場します。
主人公たちに勇気を示させ、ジョブをクラスアップさせてくれるドラゴンの王として。
重要なイベントキャラです。ただしまだ戦闘には出ず、召喚魔法もありませんでした。
しかしながらFFにおいて、バハムートは最初から別格なのです。
ただ何故か『I』ではバハムートらしきしゃべるドラゴンがいっぱいいるんですよね。

そして『III』から最強の召喚魔法になりました。
お馴染みの「メガフレア」も使います。

以降は召喚魔法の定番として君臨します。
『VII』ではバハムートの上位種としてバハムート改、バハムート零式も登場。
攻撃も「ギガフレア」「テラフレア」とパワーアップしました。

ちなみに宝島出版から出た海明寺祐先生の漫画版では光の戦士の一人としてパーティーインします。
このマンガ大好きです。

まとめ

  • バハムートはベヒーモスのアラビア語圏にて分かれた
  • ベヒーモスと対の存在であるリヴァイアサンの要素を得て魚になった
  • D&Dにて善のドラゴンとしてデザインされた
  • FFシリーズにて最強の幻獣のイメージを得た

いかがだったでしょうか。
バハムートと言えばFFというぐらい、すでに確固たるブランドを獲られてしまった感も否めません。
その後バハムートの名を冠したタイトルまで発売するほどです。

何やらリメイクの噂もチラホラと聞こえてきますが、どうなんでしょうね。

それにしても最強のドラゴンとしてはそれほど豊富なエピソードがあるわけでもありませんし、全然まだまだアレンジの余地もあると思いますね。

みなさんの創作力を発揮して新たなバハムートを、最高傑作を生み出してはみるというのはどうでしょう?
そのときは教えてくださいね。

それではまた!

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この記事を書いた人

漫画家になりたくて毎週のように出版社へ持ち込みをしてた人。
ケータイ用ミニゲームイラスト、アンソロジーコミック経験有。
執筆したファンタジー小説を投稿サイトにて公開中。

三匹のカエルと七人の闇堕ち姫
小説家になろう/ノベルアッププラス

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