近年ゲームではよく登場するけれど、昔は全くと言っていいほど知名度ゼロのモンスターでした。
どんなモンスターか、名前を聞いただけですぐに答えられますか?
元々は石化能力なんてないんですよ?
そもそもカトブレパスとはなんぞや?
令和のわが国で一般的に知られるカトブレパスとは、
・視線で石化してくる怖ろしさ
・召喚獣的扱い
カトブレパスが大きく我が国で注目された最初はたぶん、『ファイナルファンタジー5』の召喚獣じゃないですか?
それまでも雑魚モンスターとして登場してたかもしれませんが、あまり印象には残ってません。
ただしこちらでは羽が生えており、石化能力もありません。
ファイナルファンタジーでのカトブレパスは割りと原点に忠実なデザインですが、大きく違っているのが「石化攻撃」ですね。
そうなんです。
カトブレパスと言えばの石化能力、あれはもうその時からすでにあったんですね。
ここでもプリニウス先生の『博物誌』?
出ました『博物誌』!
古代ローマの学者大プリニウスの著した『博物誌』がここでも登場です。
『博物誌』に登場という事は、やはりこの怪物もアフリカ、それも西エチオピア産らしいです。
エチオピアはモンスターの宝庫ですね。
水牛のようにデカい図体で、重たい頭を細長い首で支え切れずに横たえているという、まさにうつむく者。
当時エジプトを流れるナイル川の源流と信じられていたというニグリスの泉に生息していたそうです。
なんかほとんど動こうともしない緩慢な怪物で、後世では黒い牛の体に豚の頭という説まで流れる始末。
結局は水牛デザインに戻ったようですが。
元々『博物誌』によればカトブレパスは毒を吐き、視線に見つめられると即死するという恐ろしい怪物でした。
しかし前述のファイナルファンタジーなどでは「あくまのひとみ」という能力名でプレイヤーキャラを石化してきます。
ゲーム的に即死技はあまり多用できない事、そのため徐々に石化などに置き換えられていったのではないですかね?
実際のところ、実はカトブレパスは「リビアの流浪の民」からは「ゴルゴン」と呼ばれていました。
旧いゲームではよく登場したのですが、ゴルゴンというと牛型のモンスターのことです。
そしてゴルゴンと言えばゴルゴンの三姉妹。その末妹こそ有名な「メデューサ」なのです。
メデューサと言えば見た者を石に変える石化能力ですよね。
ここから逆算してカトブレパスにも石化能力が付随したのでしょう。
神話のアレンジを利かせた素晴らしい創造力だと思います。
文学にも登場
ここでまたしても「マンティコア」の記事でご紹介したフランスの作家フローベールが『聖アントワーヌの誘惑』という作品内でカトブレパスを登場させているそうです。
この幻想小説はたくさんの悪魔や怪物が出てくるそうですが、カトブレパスは自身をデブだと蔑み恥じ入るように描かれているそうです。
ちょっと読んでみたいですね。
カトブレパスが出てくる作品
正直パッと出てくるのが前述の『ファイナルファンタジー』シリーズぐらい。
リメイク作品には追加モンスターとして採用されるぐらい愛されているようです。
ぶっちゃけこの『ファイナルファンタジー』というシリーズは多くのモンスターの原典を大胆にアレンジし、そして世間に定着させているので無視できませんね。
その他の登場例(主に雑魚敵としてエンカウント)
『ファイナルファンタジーIII』〈サロニア城周辺〉黒い水牛に蝙蝠の羽根
他にも注目キャラとして見かけたら随時この記事にも更新していきます。
そのためにもいいっぱいゲームも遊ばなくっちゃ!
まとめ
いかがだったでしょうか。
正直「石化能力」一本でのし上がってきたという印象がぬぐえませんね。
しかし考えただけで石化は恐ろしい。
イコールこのモンスターも怖ろしいという印象を持つのかもしれません。
あなたの手でも、新たなカトブレパスを創造してみてはいかがでしょうか?
そのときは是非教えてくださいね。
それではまた!
あ、アントワーヌ=アントニウスらしいです。