『ファイナルファンタジーIV』をプレイしていて特に印象深いイベントのひとつが、暗黒騎士である主人公セシルが光の騎士パラディンへとジョブチェンジする、ミシディア地方の試練の山があります。
まだまだ物語は序盤の序盤、いや、序盤の終盤てとこでしょうか?
仲間とはぐれ、ひとり漂着したこの地で、セシルは闇から光へと変わる試練を受ける決意をします。
しかし手を貸してくれるのはパロムとポロムと名乗る幼い双子の魔導士見習いのみ。
そんな三人で試練の山へと向かうわけです。
しかして、セシルの不安とプレイヤーの期待の中、突然そいつは雑魚敵としてエンカウントする!
序文で察しのついたベテランゲーマーの方々も多いでしょうが、今回のモンスターレビューは謎の怪鳥ズーです。
FF4では上記のようにインパクトのある登場をします。
しかもかなりのエンカウント率です。
キャラクターデザインの天野喜孝氏による怪鳥ズーのイメージイラストも描かれています。
©スクウェア・エニックス
しかしながらこの怪鳥ズー、他の媒体でそれほど多く見かけることがありません。
当のFFシリーズでも一向にボスや召還獣などに昇格することもなく、延々と雑魚エンカウントです。
この鳥一体何者?
というわけで調べてみました。
ファンタジーの知識を知れば、より楽しい!
それでは今回も皆さまの創作活動やゲームへの没入感の参考になることを願って。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
そもそも何処のモンスター?
ズーとは世界最古の神話である「メソポタミア神話」に登場する怪鳥です。
メソポタミア神話とは今で言う中東イラクの辺り、シュメール人が作った神話です。
それを「シュメール神話」と言います。
しかしこのシュメール人がアッカド人に滅ぼされると、シュメール神話は「アッカド神話」として書き換えられます。
ズーは主にこのアッカド神話で活躍するようです。
ところで先程よりさんざんズーと呼んでますが、近年ではズーではなく「アンズー」と呼ぶ方がより一般的なようです。
うん、アンズーだと聞き覚えのある方も増えるのではないでしょうか?
『真・女神転生デビルサマナー』などではアンズーとして登場してますよね。
実は外見はこのデビルサマナーの方が忠実だったりします。
それは鷲の体に獅子の頭というもの。
後にヨーロッパで人気を博す、獅子の身体を持つ鷲、グリフォンとは逆なんですね。面白い。

そもそもズーとはなんぞや?
ズーとは天神アヌの息子であり、外見は「獅子の頭を持つ鳥」ですが、神です。
神と言いましたが雌雄が存在し、子孫も残すとも言われ、はたして個人名なのか種族名なのか、ごちゃ混ぜですね。
種族名としてのズーは高山に巣を作り、鳥として過ごしているようです。
これは後世のゲーム用などに作られた設定なのかな。
ここではあくまで天神アヌの息子として語りたいと思います。
能力的には頭部から光を放ち、嵐を呼び起こすという強大なものを持ってます。
その力を認められたズーは天神アヌ、水神エアと並ぶ三大主神である「大気の神エンリル」の警護を務めていました。

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死闘! 神の力を得た怪鳥
エンリルの神殿で優雅に暮らす神を見ているうちにズーにも野心が芽生えます。
ある時ズーは「天の書板(トゥプシマティ)」という、手に入れれば主神と同等の力を得るマジックアイテムを神殿から盗み出し、逃げてしまいます。
これはマズイと神々が緊急ミーティングを始めますが、天の書板を持つ相手とは戦いたくない、とみな尻込みします。
そこで白羽の矢が立ったのは「植物神ニンギルス」でした。
ちなみにこのニンギルス。
名の由来は「ギルスの主」。ギルスとはラガシュという都市の一地区。つまり位としては「区長」ですね。
新宿区長とか足立区長とかそういう感じ。
しかし彼は今回の功績でアッカド神話以前、シュメール神話における戦神ニヌルタと同一視されるようになります。
ニンギルスは「七つの風で動く戦車」を操り、聖峰サブ山へ逃げたズーを追いかけます。
なにその戦車カッコいい!
しかし「天の書板」を持つズーは強敵です。
エンカウント後、即バトル開始となりました。
・1ターン目
ズーは頭部から光を放った。
辺りが真昼のように明るくなり、ニンギルスの目をくらませた。
ニンギルスは果敢にも矢を射った。
しかし「天の書板」の力で弾き返されてしまった。
・2ターン目
ズーはニンギルスを闇に閉じ込めてしまった。
天候の神アダトが現れ雷を轟かせた。
しかしズーには効かなかった。
ニンギルスは闇から抜け出した。
・3ターン目
ズーは笑っている。
アダトは水神エアに助けを求めた。
エアは遠くから話しかけた。
エア「ニンギルスよ。風だ。風を使うのだ」
・4ターン目
ニンギルスは七つの風のうち、四つを束ねてズーに向かい撃った。
ズーの翼がもぎ取れ壁に打ちつけられた。
・5ターン目
ニンギルスの攻撃。
ズーの心臓に矢を突き刺した。
ズーを倒した。
こうして戦いは終わり、ニンギルスは戦神と湛えられます。
この空中戦のイメージからニンギルスは常に羽を持った絵で描かれます。
その後のズーはというと、ニンギルスの神殿で警護の任に就くことで許されたようです。
それでいいんだ。
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ズーの出てくる作品
『ファイナルファンタジーIV』
一番印象深いです。
図体もでかく、コカトリスなど他の鳥形モンスターを従えてエンカウントします。
しかし初邂逅時、セシルは大抵暗黒騎士専用装備デスブリンガーを装備しており、即死の追加効果で一撃のもと葬れてしまいます。
しかしその後パラディンになるとデスブリンガーを手放すため、ズーの高いHPに苦戦必至となるのです!
ズー自体のイベントはないけど、スゴく印象に残る雑魚敵ですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
怪鳥ズー、もしくは凶鳥アンズー。
ゲームではだいたい中堅どころで扱われますが、神話では神に匹敵する力を得て大きな騒動を起こした大モンスターです。
正直ズーはボスモンスターの常連扱いでもいいぐらいですよね。
そういうゲームあるのかな?
探してみますね。
しかし逆を言えばこのズーはまだまだ手垢がついていないとも言えます。
あなたの創作で十分活躍させられると思いますよ。
それではまた!