【人気者スライム】近代生まれの粘液生物はホラーから一躍マスコットへ【モンスターレビュー第5回】

君がその部屋に入ると突然、首筋にポタリと何かが滴り落ちてきた。
見上げると天井にドロドロとした粘液状の物体が蠢いている。
君が驚いて叫び声を上げた瞬間、そのスライムは君を飲み込むように包み込んでしまった!
もがいたところでもう遅い。
君の身体は瞬く間に溶けてしまったのだ。

不気味に蠢くゼリー状の生物。
音もなく這いより、まとわりついたら最後、一切を消化するまで離れない恐怖の怪物。
それがスライムです。
このモンスターに遭遇したらどうすればいいのか?

弱点? 対処法?

ファンタジーの知識を知れば、より楽しい!

それでは今回も皆さまの創作活動やゲームへの没入感の参考になれば幸いです。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

目次

そもそもスライムとはなんぞや?


皆さんはスライムについて、きっとこんなイメージをお持ちではないでしょうか。

  • ドロドロネバネバの物体
  • 国民的RPGのマスコット
  • 序盤に出てくる雑魚キャラ
  • 転生するとなれる件

ファンタジー作品、特にゲームでは必ずと言っていいほど登場しますよね。
これは推測ですが、たぶんTVゲーム黎明期、モニター上のドット絵を描くのにとっても簡単だったから、ではないですかね?
●でいいんですもの。
そして色を変えればいい。
   

そもそもスライムとは神話や民話には出てこない、比較的新種のモンスターなのです。
ではまずはこの粘液生物のルーツをたどってみましょう。

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メガハウス(MegaHouse)

スライムはアメーバが人類に発見されてから生まれたモンスター

前述した通り、スライムは近年に生まれたモンスターです。

  • 20世紀以降、SF小説で産声を上げたため、神話には出てきません。
  • RPGの元祖『ダンジョンズ&ドラゴンズ』で採用されファンタジーにも登場しました。
  • その後はコンピュータゲームでも描画が簡単なため登場機会が増えました。

上述の通り、スライムはまずSFとして登場しました。
それがアメリカの作家ジョセフ・ペイン・ブレナンによる『スライム(邦題:沼の怪)』です。

アメーバ状の深海生物が、偶然に海底火山の噴火によって海面まで吹き飛ばされ、その後に陸地に漂着する。 深海では見る事のなかった光を本能的に恐れたこの怪物は、日中は沼の軟泥の中に潜んでこれをやり過ごしていたが、夜になるとここから這い出してその旺盛な食欲を満たした。

こうして怪物はこの地に住む人々を一人また一人と食害していく。 現地の警察署長は市民から寄せられたこの怪物の報告をまともに取り合わず、ホームレスが同時期に行方不明になっていた――実際には怪物の最初の犠牲者であった――ことから、この人物による連続殺人という一種常識的な線で捜査を進めてしまう。 しかしこの捜査に携わった警官の一人が怪物の新たな犠牲者となり、彼とペアを組んで捜査に当たっていたもう一人の警官によって怪物の情報がもたらされた結果署長は方針を改め、捜査は軍隊も巻き込んだ大がかりなものへと発展する。

引用:Wikipedia

現在ではこちらの『千の脚を持つ男―怪物ホラー傑作選 (創元推理文庫)』に収録されています。

その後ファンタジー作品の定番となったのですが、厳密に中世の世界観を描きたい場合はスライムはそぐわないかもしれませんね。
ただ人類が感知できていなかっただけで、アメーバ自体は太古の昔からいたはずなので問題ないと言えば問題ないのかな。

ちなみにこちらもアメリカの作家ハワード・フィリップス・ラヴクラフトが著した『クトゥルフ神話』には、ショゴスという不定形の邪神が登場します。
もしかしたらスライムの原型とも言えるかもしれません。
なにより『沼の怪』のジョセフ・ペイン・ブレナンは、ラヴクラフト作品の収集家として有名だったそうですので。

創作の世界ではどんな扱いか


多種多様な種族が描かれました。
呼び名であったり色分けであったり。

ザッと上げても「スライム」「ウーズ」「ブロブ」「プディング」「ゼリー」「アメーバ」など。

ちなみにスライムの色てたくさん種類があるようだけど、元々は緑色が基本色でした。『ドルアーガの塔』でも最初は緑色のスライムが登場しますよね。『ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)』など、テーブルトークRPGが流行り出した頃、ゲームで使うミニチュア(メタルフィギュア)のスライム用塗料として「グリーンスライム・グリーン」という色があったそうです。
そういえば玩具としてのスライムも緑色だったような。

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ウィザーズ・オブ・ザ・コースト(Wizards of the Coast)

呼び名だけでなく能力も様々です。
粘液生物なので単純な打撃力よりも追加効果に重きを置きます。
溶解」「腐食」「麻痺」「猛毒」と言ったところがメジャーでしょうか。

腐食性のスライムに普通の武器で攻撃しては逆に使い物にならなくなります。
多くの場合スライムには火を当てることが常套手段です。

一流の戦士が剣を構えても、スライムには目線や筋肉といったものがないので、フェイントを掛けたり、相手の攻撃のタイミングを読んだりといったアクションは難しいでしょうね。

スライムが登場する作品


枚挙に暇がありません。
代表的なものをいくつか。

『ドルアーガの塔』

最初の敵としてグリーンスライムが登場。
作者の遠藤雅伸氏は以前テレビ番組のインタビューで日本にスライムは雑魚モンスターという間違った印象付けをしてしまったとおっしゃっておられました。

『ドラゴンクエスト』

説明不要の涙滴型スライム。これを超えるデザインはこれを知ってしまった以上スライムではもう無理ではないでしょうか?
ドラクエではスライム族として多様なスライムが登場します。
いずれすべて書き出してみたいですね。

『ファイナルファンタジー』

FFのスライムと言えばブラックプリンです。
物理攻撃が効きにくく、炎系の魔法で対抗するのがマストという面倒くさいモンスターですね。

『ぷよぷよ』

同色のぷよぷよを4つ並べて消す落ちものパズルゲームです。
このぷよぷよは完全なるスライムですね。
スライム=マスコットという図式はもはや逃れられないのでしょうか。

『BASTARD!! 暗黒の破壊神』

スライムと言えばコレ!
一定以上の年代の方にとっては忘れられないシーンです。
忍者砦に囚われたヨーコさん。
鎖に繋がれ服だけを溶かすスライムをけしかけられ……

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他、多くの作品で取り扱われています。
スライムだけでもブログネタに事欠かないんじゃなかろうか。

まとめ

  • スライムは不定形の粘液生物
  • 歴史は浅く、近代のSF小説から生まれた
  • そのため神話や民話には登場しない
  • ゲームで扱われることが多く、定番化した

いかがだったでしょうか。
意外にも歴史の浅い有名モンスター筆頭のスライム。
世に爆誕した当時こそ恐怖のモンスターとして気味悪い存在でしたが、コンピューターゲームの時代になるとマスコットとして可愛らしく描かれるように。
さらに現在ではYouTube界隈、特に女性YouTuberに多く見られるのがスライム造ってみた系の動画
もはや不気味で生理的嫌悪を覚えるスライムはどこへやらです。

今一度、恐怖を覚える不定形モンスターをあなたの手で創造してみてはいかがですか?

そのときは是非教えてくださいね。

それではまた!

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この記事を書いた人

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