【夜の魔女リリトゥ】後の時代の淫魔の元祖【モンスターレビュー第77回】

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女性や子供ばかりを狙う3人組の悪霊リリトゥをご存知ですか?
夜の魔女」と呼ばれる恐ろしい存在なのですが、はて。

何やら聞き覚えのある異名を持つこのリリトゥを、今回はご紹介させてください。

ファンタジーの知識を知れば、より楽しい!

それでは今回も皆さまの創作活動やゲームへの没入感の参考になることを願って。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

目次

そもそもリリトゥとはなんぞや?

リリトゥとはメソポタミア系の神話に登場する、女性や子供を狙う悪霊です。

リリトゥを指して「夜の魔女」と謳われますが、実はリリトゥとは3人組であり、しかもひとりは男です。

  • 男性のリル
  • 女性のリリトゥ
  • 処女のアルダト・リリー

彼らは元は風の神エンリルに連なる眷属らしく、リリトゥとは3神の総称であります。

というわりには女性神のリリトゥが個人名と総称を兼ねているという、なんともややこしい。

一応この3神にも生息地や行動などに違いは見られます。

男性神リルは荒野に棲み、妊婦や幼児を狩るという。
女性神リリトゥも全く同じ(おい)

ですが処女神アルダト・リリーだけは少々違います。
妊婦を感染症にしたり、子供を病気にしたり、さらには若い男を誘惑し、不妊や性的不能者にしてしまいます。
3神の中で最も多才ですが、それでも総称は女性神のリリトゥです。

それでも3神共に若い夫婦者にとっては特に害となるため恐れられました。

リリトゥと同様のモンスター

さてこの地にはですね、リリトゥと同様、妊婦に病を与える恐ろしい存在が別にいます。

病魔ラマシュトゥです。

ラマシュトゥとはこの地に古くから君臨する、病魔の王パズズの妻として有名です。
身体は人ですが、獅子の頭にロバの歯という奇怪なモンスターです。

実はこのラマシュトゥ、後に勃興するユダヤ教において、人類初の女性とされるリリスの元ネタではないかとされます。
驚きですよね。
リリスにも元ネタがあるんですよ。

リリスはアダムの最初の妻でしたが、仲違いし、離婚しています。
後に多くの悪魔と契り、多くの魔族を生んだとされています。

そのリリス、今回のリリトゥと発音が似ています。
そしてそのリリトゥと同種の能力を有するラマシュトゥは、リリスの元ネタとされている。
能力はラマシュトゥ、でも名前はリリトゥから。
この辺り、複雑に混同されていると思いません?

それにしてもリリスの性質的にはリリトゥよりも処女神アルダト・リリーが近いようにも思えます。

ほんと、このへん実にややこしい。
あまりに旧く、マイナーであるために、もう少し未来では忘れ去られていてもおかしくないかもしれませんね。

まとめ

  • リリトゥは妊婦や幼児を襲うモンスター
  • リリトゥは3人組の総称である
  • 処女神アルダト・リリーは特に後のリリスに似ている

いかがだったでしょうか。

今回は結構マイナーなモンスターを取り上げました。
ただでさえメソポタミア地域のモンスターはあまり表舞台に出てこないのに、さらにマイナーなリリトゥを取り上げました。
けれどこのリリトゥ、その出自や特徴を見てみると、何やら後々のユダヤ教やキリスト教、中世の悪魔学などに通じるものがあると思うのです。

具体的に言えば前述したリリスもそうですが、例えば幼児を襲うとなればこの地域にはラミアが後に現れます。
アルダト・リリーのように若い男を誘惑するというのはまさにサキュバス
リリスは中世の悪魔学以降サキュバスと同様の淫魔に数えられることにもなります。
もしかしたらラマシュトゥもその系譜として、または同一視されていてもおかしくはありませんよね。

夫のパズズは有名ですし、ラマシュトゥももっと知名度が上がってもおかしくはありません。
そういった繋ぎの意味でも今回リリトゥを取り上げてみました。
皆様にとって少しでも未知の部分をご紹介できたとしたら何よりです。

それではまた!

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この記事を書いた人

漫画家になりたくて毎週のように出版社へ持ち込みをしてた人。
ケータイ用ミニゲームイラスト、アンソロジーコミック経験有。
執筆したファンタジー小説を投稿サイトにて公開中。

三匹のカエルと七人の闇堕ち姫
小説家になろう/ノベルアッププラス

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