【地獄の鬼マレブランケ】FF4の四天王はこれが元ネタ【モンスターレビュー第68回】

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火のルビカンテ、風のバルバリシア。
水のカイナッツォ、土のスカルミリョーネ。

この名をご存知でしょうか?


ファイナルファンタジーIV』(以下FF4)に登場した、主人公セシルの兄、ゴルベーザに従う四天王の面々です。

FF4とは株式会社スクウェア・エニックスが今も展開し続ける人気RPGシリーズの第4作目にあたります。
ナンバリングタイトルの中では最も移植、リメイク作品の数が多く、1991年に発売されたスーパーファミコン版を皮切りに、2021年には(Steam ダウンロード版)ファイナルファンタジーIVが発売されました。

今回はそんな彼らプラスもうひとり、その元ネタをご紹介したいと思います。

ファンタジーの知識を知れば、より楽しい!

それでは今回も皆さまの創作活動やゲームへの没入感の参考になることを願って。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

目次

元ネタは地獄の鬼たち、マレブランケ

早速ですが解答からお伝えします。
彼ら四天王は、ダンテの著した地獄、煉獄、天国への旅行記『神曲』に登場します。

地獄第八圏、悪の濠の第五層「汚職収賄」の濠にて、罪人を責める鬼たちの集団マレブランケの一員です。

<ダンテの『神曲』地獄篇についてはこちらの記事もどうぞ>

マレブランケとは要するにチーム名です。
ダンテはイタリア人なので、マレブランケはイタリア語で「悪い爪」という意味です。

総勢12名からなる地獄の鬼集団で、汚職や収賄などの大罪を犯した者を責め立てています。

地獄第八圏「悪の濠」という、10層に分かれた漏斗状の大穴である地獄の中でもだいぶ下層に位置する場所にいます。
ダンテの『神曲』地獄篇では第21から22歌で登場します。

10層中、第5層にあるこの「汚職収賄の濠」ではどういった責め苦が待っているのか。

その濠にはぐらぐらと煮え立つ瀝青(天然アスファルト、コールタール)がなみなみと揺蕩っているのですが、そこに罪人たちは沈められています。
苦しくて顔を出せばマレブランケたちに棒で小突かれたり、逆に鉤爪で引っ張り出され、生皮を剥がされたり、と、むしろ外に出る方が辛い責めを受ける地獄です。

そこでの監督官という役目を負っているのがマレブランケたちなのです。

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マレブランケメンバー紹介

基本的に12人いるマレブランケですが、みな獰猛な顔つきで、悪魔のような羽根を持ち、空も飛びます。

マレブランケのリーダー
マラコーダ
イタリア語で「悪い尾」の意。
黒い身体にコウモリの翼、鋭い牙と爪あり。
彼らは一般にイメージする地獄の獄卒そのもの。

そしてお待たせしました。
冒頭でお伝えした通り、FF4で登場する四天王。
彼らもみんなこのマレブランケの一員です。

スカルミリョーネ

「毒を持つ者」の意。
姿は他と同様、黒い身体に翼である。
メンバーの中でも品性下劣で、死者でないダンテの尻を撫でようとした。
特に土の要素はないですが、ゲームでは毒属性の魔法「バイオ」を使ってきましたね。
カイナッツォ

ガミガミとうるさい者」の意。
罪人が口八丁で調子の良いことをのたまるも、全て突っぱね責め立て続ける。
特に水の要素はない。
カメっぽくもない。
バルバリシア

悪意に満ち溢れた者」の意。
マラコーダの下につく副隊長。
ダンテの道案内も仰せつかった。
割りと仲間思いで、誤って濠に落ちた部下を救えず途方に暮れたりする。
風の要素どころか半裸の美女ですらない。
ルビカンテ

真っ赤になって怒る者」の意。
赤くなるからFF4のルビカンテっぽいかも。
ただし『神曲』ではマラコーダからの信頼は薄く、みんなも「アホのルビカンテ」とバカにしている。
高潔な戦士である火のルビカンテとは真逆。

以上がFF4での四天王についてです。
特別な存在ではなく、原典では名前のついたモブキャラに近いです。
残念ですがそれが逆にFF4ではオリジナルかと錯覚するぐらいキャラが立ったわけですね。

さてマレブランケは総勢12名なので、残りの7名も軽くご紹介。

  • アリキーノ……………「誘惑者」の意。
  • グラフィアカーネ……「犬のような者」の意。
  • チリアット……………「牙を持つイノシシ」の意
  • ドラギニャッツオ……「残忍な竜」の意
  • ファルファレルロ……「中傷する者」の意
  • リビコッコ……………「意地の悪い者」の意

そして最後のもうひとり。それは、

カルコブリーナ

恩寵を嘲笑う者」の意。
踊る人形の要素はありません。

FF4では召喚士リディアが成長して復帰するという、思い出深いイベントバトルで覚えてる方も多いことでしょう。
『神曲』でのカルコブリーナは、口八丁に騙されて、鉤爪で引っ張り出した罪人を濠の中に逃がしてしまいます。
それで仲間のアリキーノに当たり散らし、共に灼熱の濠の中に落ちて丸焼けになってしまいます。
前述のバルバリシアが途方に暮れた部下とはこのカルコブリーナの事でした。間抜けですね。
罪人は濠の中で耐え続けるのに、この鬼たちは一度でも落ちたら一巻の終わりなんですね。

ファイナルファンタジーIV コンプリートコレクション −ファイナルファンタジー4&ジ・アフターイヤーズ

まとめ

  • FF4四天王は地獄の鬼集団マレブランケの一員
  • 『神曲』による地獄第八圏第五層で罪人を責める
  • 地水火風の四元素要素は特にない
  • 踊る人形カルコブリーナもメンバーのひとり

いかがだったでしょうか。

彼らマレブランケは、悪魔のような姿をして、恐ろしい責めを与える地獄の鬼ではありますが、あくまでそれは仕事。
残酷にも見えますが、相手は地獄に落ちる罪人ですし、なんといっても上司は悪魔ではなく実質「神」ですからね。

まあ現実の拷問史がまともな精神で務まらず、一種異様な雰囲気を出してしまうので誤解しがちですが。
彼らは神に与えられた役目を忠実にこなしているにすぎず、いわば立ち位置は天使と変わらないわけです。
複雑な気分ですがね。

四天王に関しては正直名前を引っ張ってきたに過ぎないようです。
ただ真っ赤なルビカンテとか、毒のスカルミリョーネとか、部下を思う優しいバルバリシアは女性にしたとか、……カイナッツォは…………。

こういうのも創作のネタ探しとしては面白いですよね。
創作者の楽しみとも言いますか。

皆さんはどう思われましたか?
それではまた!

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この記事を書いた人

漫画家になりたくて毎週のように出版社へ持ち込みをしてた人。
ケータイ用ミニゲームイラスト、アンソロジーコミック経験有。
執筆したファンタジー小説を投稿サイトにて公開中。

三匹のカエルと七人の闇堕ち姫
小説家になろう/ノベルアッププラス

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