エジプト神話の女神ヘケト
エジプトの神話は頭部が動物を模した見た目をしている神様が多い。
その中で今回ご紹介するのはカエルの頭にヒトの身体、もしくはカエルの姿をした女神ヘケトです。
ヘケトは「水の女神」であり「生命の女神」であり「出産の女神」である。
ヘケトは太陽神ラーの口から生まれ、夫はヒツジの頭部を持つクヌム神である。
クヌム神がろくろを回してヒトを作り、ヘケトが生命を吹き込む。
なぜカエルが水の女神なのかはなんとなく理解できる。
なぜカエルが生命の女神なのかについては、カエルは毎年ナイルの泥の中から生まれてくる。
死後復活を信じる古代エジプトの民は、毎年生まれ出でるカエルに不死性を見たのである。
同時にカエルは多産である(卵をいっぱい生む)ことから、ヘケトは出産の女神とされたのだ。
ヘケトが「水と生命と出産」の女神であることはわかりました。
神話のエピソードとしては、冥界の王となるオシリス神の復活を手助けしたり、女神イシスの息子ホルスの出産を手助けしたり、そのホルスが毒蛇に噛まれた際に治療をしたりと、エジプト神話の中心に絡むエピソードがいくつもあります。
とはいえヘケトは元々はもっと古い時代の地方神であったそうだ。
その詳しい記録は現代には残っていないようで、どこかの時代でクヌム神の妻という神話に上書きされたらしい。
メガテンシリーズにて

現在ではあまり見かける機会のないヘケトであるが、例えばカルト的な人気のRPG『女神転生』の第1作目では、冒険の最序盤でエンカウントするいわゆる雑魚敵として登場する。見た目は半魚人というかエリマキトカゲのようにも見えるが。
本来の神性からすればもう少し強い存在でもいいと思うが、続く『真・女神転生II』でもそれほど強い存在ではないようだ。
しかも種族は「聖獣」である。

しかし『デビルサマナー ソウルハッカーズ』にて「金髪おかっぱのカエル」として再登場。
種族は聖獣のままですが、デザインした金子一馬氏によればモデルは映画『スクリーム』での女優ドリュー・バリモアだそうです。女神要素が出てきましたよね。
いかがだったでしょうか。
ファンタジーの知識があれば、より楽しい!
それではまた!