【イフリート】凶悪だがマヌケな魔神【モンスターレビュー第43回】

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バトルモノを描こうとすると、大なり小なり「」について取り扱うことになると思います。
特に四元素「」「水」「」「」と並べると、圧倒的に破壊攻撃性を感じさせますしね。
ファンタジー世界においてその「」を最も意識させるモンスターといえば何が思い当たりますか?

イフリートですよね。

の魔神だったり、の剣の守護者だったり、の召喚獣だったり、の上位精霊だったり。

とにかく令和の世界全体で見渡しても炎といえばイフリート、イーフリート、エフリート。

別にイフリートは炎特化の魔神ではないんですけどね。

それでは今回も、きっとみなさんの創作の糧になるかと思います。
是非最後までお読みいただけると幸いです。

目次

そもそもイフリートとはなんぞや?


イフリートはアラビア地方、イスラム圏の精霊です。

灼熱の身体、革の翼、獣じみた顔に耳まで裂けた口許には獰猛な牙。
のブレスを吐き、傷口からは高熱の蒸気を噴き出す。
種々の魔法を使い、相手を威圧するためにも天を衝くほど巨大な姿に、時には手足や目玉が100個もある姿で現れます。

その身体は煙で出来ており、無から物質を生み出し、大小様々な大きさに変化できると言います。

強すぎますよね。
それもそのはず。
アラビアの精霊(ジン)は5つの階級に分かれていて、上から順に、

・マリード
・イフリート
・シャイターン(サタン)
・ジン
・ジャーン(ジャニー)

となっており、イフリートは上から2番目なんです。
ちなみにイフリートは男性名詞で、女性名詞ならイフリータになります。
覚えておきましょう。

西洋社会からのレッテル


イフリートはイスラム教における唯一神アッラーにより、煙のない純粋なから生み出されました。
それは最初の人間アダムよりも2000年も前のことです。
では神がお造りになられた精霊が、どうして凶悪な魔神となったのでしょう?

ご承知のとおり、信仰とは権力を手にした支配者により変化を余儀なくされてきました。
西洋社会では異教の神や天使は悪魔と見なされ貶められます。
イフリートもそのひとり。
時に人々を助けるはずが、いつしか炎の悪魔としてのイメージが定着してしまいました。

そのイメージを引き継いだのがRPGの元祖『ダンジョンズ&ドラゴンズ(以下D&D)』です。
このゲームでの魔神として登場するや、その後のフォロワーがこぞってイフリートを使用したのです。
ゲームでは『ファイナルファンタジー』が召喚獣として。
マンガでは『BASTARD』が炎の魔剣の主として。
小説では『ロードス島戦記』が炎の上位精霊として。
日本における各分野のパイオニアがこぞってこのイメージを踏襲した結果が現在のイフリートというわけなんですね。

おそらく『D&D』は『指輪物語』に登場する炎の魔神バルログの置き換えとしてイフリートを引っ張りだしてきたのではないでしょうか。
『指輪物語』はファンタジーの原典ですが、当時はそのまま使うには版権的に厳しいモノも多かったでしょうからね。
<関連記事>
【バルログ】悪に堕ちた炎の精霊【モンスターレビュー第44回】




壺に封印されていて


イフリートを物語る逸話があの『千夜一夜物語』にあります。
それはある漁師にやり込められるお話なのですが。

ある時、網にかかった壺を開けてみると、中からイフリートが飛び出てきました。
彼は500年もの間狭い壺に閉じ込められていたので、外に出れたらすぐさま人間を殺してやろうと思っていました。
巨大な姿で現れ漁師を脅してやったところ、その魔力におののいた漁師が、「どうやってそんな大きな身体でこの小さな壺に入っていられたのか。自在に変化できると言うのなら、是非小さくなって壺に入ったところを見せてほしい」と言いました。

漁師の言葉にいい気になったイフリートは言われたように小さくなると壺に入ってみせます。
漁師は急いで壺に栓をすると海へと投げ捨ててしまいましたとさ。

イフリート、凶悪だがマヌケな魔神。

イフリートが出てくる作品

『ファイナルファンタジー』シリーズ
やはりこれは外せません。
シリーズを代表する召喚獣です。
個人的にFFシリーズ2大カッコいいモンスターの一匹でもあります。
もう一匹はベヒーモス。
二本角がそそるのかな?
『ユニコーンの乙女』
TRPG『ソードワールド』の小説短編集第1巻第1話、ロードス島戦記の水野良先生による精霊使いのお話です。
ユニコーンを駆る森林衛士ジュディスが暗黒神官の生贄とされるのを救出するため、ドルイドの精霊使いケニーが戦乙女バルキリーと共に戦います。
短編集の第1話にていきなりこのお話を読んだときはあまりのカッコよさにハマりました。
ラストに使うのが炎の上位精霊であるイフリートなんですよ。
これ読んでから精霊使いを贔屓にするようになりました。
コミック化もされています。
作画は『妖魔夜行』の作画を担当した青木邦夫先生です。
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まとめ

いかがだったでしょうか。

単純に炎の精霊、炎の魔神というわけではなく、実はなんでもできる魔神の中でもさらに上位に位置するのですね。

実のところ有名な『アラジンと魔法のランプ』に出てくる魔神ジニーも種族としてはイフリートになるそうです。
ジンじゃないんですね。
イメージ的にはそっちの方かと思うんですが。

それだけイフリートに炎のイメージが定着しているということなのでしょう。

これほどの強烈な個性を浸透させるとは、さすがの創造力だと思います。
是非みなさんも新しいイフリート像を作り出してください。

そのときは是非教えて下さいね。

それではまた!

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この記事を書いた人

漫画家になりたくて毎週のように出版社へ持ち込みをしてた人。
ケータイ用ミニゲームイラスト、アンソロジーコミック経験有。
執筆したファンタジー小説を投稿サイトにて公開中。

三匹のカエルと七人の闇堕ち姫
小説家になろう/ノベルアッププラス

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