洋上を航る船上で、船乗りたちが最も恐れたのは、当然船の沈没でしょう。
船底の下、暗く冷たい深海に棲む化け物がもしも襲ってきたら。
あなたは生き残る自信、おありですか?
シーサーペントはご存知ですか?
巨大な海蛇です。
広大な海は現在でも謎が多く、人類にとって宇宙に匹敵する未知なる領域でもあります。
当然そこには多くのモンスターがいるわけで。
ファンタジーの知識を知れば、より楽しい!
それでは今回も皆さまの創作活動やゲームへの没入感の参考になることを願って。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
そもそもシーサーペントとはなんぞや?
そもサーペント(serpens)とは、ラテン語で「蛇(へび)」を意味する言葉が由来です。
要するに巨大な蛇の幻獣です。
ただ、ゲームやマンガなど、フィクションの世界では単にサーペントと言うよりも「シー・サーペント」と言って、とりわけ海に棲む海蛇、あるいは海竜を指すことが多いです。
陸上に現れる巨大な蛇のモンスターをサーペントと呼ぶ例はあまり思い付きません。
そのため今回はシーサーペントとして扱わせていただきます。
巨大とは言いましたが、サイズは10メートルから100メートル以上。
基本的にはおとなしく、意外なことにあまり人間や船が襲われることはありません。
どちらかと言うと、船を襲うのはクラーケンの方がイメージ強いですね。あっちはタコですが。
シーサーペントの顔は亀のような馬のようなと表現されたりもします。
角があり、首筋(背中?)にはたてがみ、もしくはたてがみのように見えるほど海草がまとわりついていたそうです。
じゃあそれ海草じゃね?
シーサーペントの目撃例
やはり目撃例は海に関する事例が多いです。
最初に記録として書き記されたのは古代ギリシャの哲学者アリストテレスによります。
アリストテレスによると、リビア沿岸に棲む巨大生物が、海岸で牛を食べていたと記しています。
古代から目撃例は数多く、アッシリアの王サルゴン2世も航海の最中シー・サーペントに遭遇したそうです。
言ってしまえば『旧約聖書』に出てくる海魔リヴァイアサンだってサーペントの一種と言えますしね。
ちなみにシー・サーペントには弱点があります。
ペルシアからアフガニスタンに生えている「アサフェティダ」和名「アギ(阿魏)」という植物の樹脂をばら蒔くと、その匂いを忌避して近寄らないそうです。
実在? 現在のシーサーペント
いくつかの目撃例を挙げてみます。
1848年イギリス
1848年。
イギリスの軍艦デイダラス号の乗員たちが、20メートルはあるシーサーペントを20分にわたり目撃し続けたと言われています。
軍艦ですからね。
ちゃんと記録が残っているのでしょう。
1977年日本
1977年4月25日。
日本の漁船、瑞洋丸がニュージーランド沖で死骸を引き揚げています。
サイズは10メートル前後。
ネス湖のネッシーにあやかり、「ニューネッシー」と名付けられ話題を呼びました。
ただ、実物はひどい悪臭を放っていたため、写真とヒレの一部、骨格のスケッチを描いたのみで海に捨ててしまいました。
その後、東京医科歯科大学がヒレのタンパク質を分析した結果、ウバザメの仲間ではなかろうかと発表しましたが、未確定のままです。
その他にも例えばカナダでは「キャディ」
アメリカはバージニア州では「チェフシー」
イギリス、ファルマス湾付近では「モーガウル」と呼ばれるシーサーペントが知られています。
もはやシーサーペントは神話の怪物などでなく、UMA(未確認生物)なのでしょう。
ちなみにシーサーペントは単なる蜃気楼説も囁かれます。
セイウチなどが見え方の変化によりそう見えたのだと言うのです。
でも死骸を引き揚げてますしねえ。
シーサーペントの出てくる作品
『ファイナルファンタジーIII』
ネプト神殿にある海竜の像の目に嵌め込まれた宝石が片方無くなったことにより、入り江の入り口でネプト竜が暴れまわることに。
光の戦士たちは小人になって像の中へと探索に出ます。
このネプト竜からは最終的に褒美として「水の牙」という必須アイテムを授かります。
正気に戻るとやはり人は襲わないタイプでした。
『ファイナルファンタジーV』
ファリスの海賊船を引っ張るのはシーサーペントのシルドラ。
後に召喚魔法にもなるけど、水属性ではなく風属性。
風属性だけど「サンダーストーム」という技を使う。
『悪魔城ドラキュラ サークル オブ ザ ムーン』
ゲームボーイアドバンスのローンチタイトル。探索型の悪魔城ドラキュラです。
主人公ネイサン・グレーブズはカードの組み合わせで特殊能力を発現できます。
その中の1枚がサーペントのカード。氷に属するカードで、敵を氷結にしたり、周囲に氷の玉を浮遊させたりできます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
神話の英雄が、とか、邪悪な魔術師が、とか。
そういった類いのエピソードは見かけませんが、古代よりその実在を船乗りたちに恐れられていたのは事実です。
ですが実際にシーサーペントに襲われたとかそういった話もまたそうそう見当たりません。
むしろFF5のシルドラのようなイイ扱いの方が目につきます。
これは創作者にとってはチャンスですね。
是非あなたの手で新たなシーサーペントを創り出してみてください。
それではまた!