【賢者の石】鉛から黄金を作ろう【アイテムレビュー第5回】

エーテルの正体を教えましょうか?

普段、安物を高く売ることを錬金術と称したりしますよね。
錬金術とは金属をなんでも黄金に変えてしまう、昔の人が夢見た、無知で非常識なエセ学問だなんて思っていませんか?

とんでもありません。
錬金術とは当時の才媛たちがこぞって研究した、この世界の真理を探る大切な学問なのです。

アイテムレビュー第回は万病に効く賢者の石です

錬金術師たちの目的は世界の構成を知ることでした。
黄金を作るというのはその過程のひとつでしかなく、決してそれが目標ではありませんでした。
ただし世間に興味を持っていただくには、やはりなにかとキャッチーな触れ込みが必要で。

黄金を作るとなればその効果は絶大でした。
そのため詐欺師やインチキが横行し、本物の錬金術師は肩身の狭い思いをしたのです。

その本物たちがこぞって求めたのが今回取り上げる「賢者の石」です。

いろんなゲームやマンガで登場するけど一体それってなんなん?

ざっくり調べてみました。

今回も是非最後までお読みいただけると幸いです。

目次

そもそも賢者の石とはなんぞや?


賢者の石とは錬金術において、鉛などの卑金属を金や銀などの貴金属に変える鍵となる物質です

見た目は諸説ありますが、往々にして「赤い粉末状」もしくは「液化する赤い石」だと言われます。

金属の変成だけでなく、万病の治癒にも効くそうで、有名な錬金術師パラケルススもこいつで何人も病人を治癒したそうです。

自然界の原理を解き明かす目的がある本物の錬金術師たちが求めた賢者の石は別名「哲学の石」とも呼ばれます。

こんなところでしょうか。

そもそも錬金術とはなんぞや?


錬金術は古代エジプトに起源を持つ「化学」であり、その目的は万物の構成を見定めることにありました。
その成果が今日の化学の下地を築いたのは明白です。

やがてユダヤ人やイスラム教徒の多いイベリア半島から中世になり西ヨーロッパに伝わると、当時戦乱に明け暮れたヨーロッパ諸国の王候貴族たちは、かさんだ戦費を賄うために黄金目的で錬金術を奨励しました。

賢者の石とはエーテルであり納豆である


古代ギリシャから万物は「火」「水」「土」「風」の四元素でなると考えられていました。
その考えは中世の「自然哲学思想」にも継承されています。

さらにこの四元素に作用する第5の元素が存在すると仮定されました。

それを「エーテル」と言います。

賢者の石とはこのエーテルを何らかの方法で凝縮したものと考えられていました。

こうして様々な仮定における存在が便宜状エーテルと呼ばれはしましたが、19世紀ごろにはその存在は否定されてしまいました。

賢者の石の材料として候補に上がるものに「水銀」と「硫黄」があります。
どちらも自然界にあって当時重宝すれど原理がいまいちわからない物として捉えられていました。

現在では細菌や酵素などが物質の発酵や腐敗に作用することが周知されていますが、これこそが四元素に作用する第5の元素エーテルであったのかもしれません。
私たちのより身近なものとしては「納豆菌」や「乳酸菌」でしょうか。

まさに納豆こそがエーテルだったんだ!

火、水、土、風、納豆!

これからは納豆かけご飯のことをエーテルご飯と呼びましょう

って言って納得してもらえます?

賢者の石を所持していた者たち


実際に賢者の石を持っていたとされる人物はいます。

ライムンドゥス・ルルス

13世紀スペインの神学者ライムンドゥス・ルルスは、イスラム教徒をキリスト教に改宗させるため、イギリス国王エドワード2世に十字軍の派遣を要請します。
そのための資金を調達せよと言われ、ロンドン塔に研究室を用意されると、なんと5万ポンド分の卑金属を黄金に変え、その黄金で600万個もの金貨が作られました。
しかし一向に出兵する気のない国王にうんざりした彼は、ひとり伝導の旅に出てしまいます。
そしてチュニジアでイスラム教徒に石をぶつけられ死んでしまいました。

パラケルスス

16世紀、スイスの医師でもあるパラケルススは、秘薬として賢者の石を用い何人もの病を治してみせました。
小柄な老人であった彼は、剣の鍔に象牙の容器を仕込み、そこに粉末状の賢者の石を入れていたそうです。
賢者の石は「エリクサー」と同一視されるほどの特効薬でもありました。
金や銀以外は不完全な金属であり、金属の病に罹っているという無茶理論のもと、賢者の石は万病に効くと言われるようになりました。
ちなみにパラケルススとはペンネームでして、本名はフィリップス・アウレオールス・テオフラストゥス・ボンバストゥス・フォン・ホーエンハイムといいます。
諸国を遍歴したとても優秀なお医者さんでした。

他にも17世紀、「薔薇十字団」という秘密結社を創設したクリスチャン・ローゼンクロイツなどもトルコやエジプトを旅し、その秘儀を身に付けたそうです。

黄金の作り方


で、実際じゃあ本当に黄金は作れたのか?

これは14世紀、パリの錬金術師ニコラ・フラメルが、水銀から純金を作り出したとされ、その製法を聖ジャック・ラ・プーシュリ教会の扉に記しました。
が、秘密の製法なのか、解読は難解を極めたそうです。

黄金を作るには賢者の石を触媒にしなくてはなりません。

元になる金属を熱して溶かす。
もしくは水銀を熱して、そこに賢者の石を放り込むと完成です。
または粉末状の賢者の石を振りかけてもいいです。

こんなんで出来るわけないよね。

ちなみにギリシャ神話のヘルメス神、ローマ神話ではメルクリウス、英名マーキュリーは「水銀」を司るので、ヘルメス神は錬金術の神としての面もあります。

賢者の石の出てくる作品

『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』
大魔王ゾーマが「大宇宙を手のひらで凝縮して作った」仲間全員が回復する青い石です。
万病に効くという逸話になぞらえていますね。
この石の正体は、中に無限に近いホイミスライムが押し込められているというものです。
さすが大魔王ゾーマですね。

まとめ

いかがだったでしょうか。

フィクションでは登場することの多い賢者の石ですが、作品ごとに定義は曖昧で、名前だけが先走っている感がありました。
そんな中、さすがは我らがドラクエです。
意外と原典に忠実だったりするんですよね。
そういうところを気にしながら遊んでみるのもいいかなと思います。

いやぁ、ファンタジーって面白いですね。

それではまた!

 

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この記事を書いた人

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