概要
『ドラゴンランス戦記 2 城砦の赤竜』はテーブルトークRPG『アドバンスト ダンジョンズ&ドラゴンズ』の設定をベースに北米で書かれたファンタジーノベルの第2弾です。
作者はマーガレット・ワイスとトレイシー・ヒックマン。
本作は人間やエルフ、ドワーフらが共存する剣と魔法の世界「クリン」を舞台に、邪悪なドラゴン軍との世界存亡を賭けた一大戦記物で、発表後、瞬く間に大ベストセラーとなりました。
翻訳版は富士見ドラゴンノベルズとして、富士見書房より1987年5月20日初版発行。翻訳はグループSNE代表、安田均。
なお翻訳版は原書のシリーズ3冊分を6冊にして刊行されています。
日本語訳にすると文字量が増えてしまうので、1冊を上下巻などに分けるのは至極当然ですしね。
そのためこの富士見書房版2巻は原書では1巻の後半部分という事になります。
原書、内容が濃すぎるでしょう。
あらすじ
ドラゴンを神と崇め、死体になってさえ人を殺す力を持つという凶悪な種族ドラコニアン——突如出現したこの謎の種族の侵略により、クリンの地はかつてないほどの危機に直面していた。ザク・ツァロスのブラック・ドラゴンを倒し、〈ミシャカルの円盤〉を得たタニスら冒険者たちは、ひそかに故郷ソレースに向かった。
だがソレースも、すでに戦火に焼かれ、ドラコニアンに占領されていた。
捕虜となり、ドラゴン卿ヴェルミナァルドが支配する奴隷鉱山に送られたタニスら一行を待つ、新たな冒険の行方は……!?(裏表紙より引用)
短評
この巻から主要登場人物がさらに倍増します。
特にクォリネスティ・エルフの王女ローラナは全体を通してのメインヒロインです。
と言っても彼女の活躍は次の巻まで待たねばなりませんが。
もうひとり、赤毛のウェイトレスであるティカ。
彼女も戦渦に巻き込まれ女戦士として冒険者デビューします。
それと謎の老魔術師フィズバン。彼には何やら秘密があるようですが。
他にもローラナの兄やローラナが心酔する神官など、登場人物がぐわっと増えるのですが、印象に残るのは敵であるドラゴン卿ヴェルミナァルド。
彼はダークプリーストであり、レッド・ドラゴンを従え、ナイト・ブリンガーというメイスを武器に戦うマッチョな奴です。
特にこのナイト・ブリンガーが面白い。相手に一撃を加えた時に「ミッドナイト」とささやくと、その相手を一時的に盲目にしてしまうのだ。ナイト・ブリンガー(夜を呼ぶもの)かな。
1巻に比べてダンジョン探索もしっかりこなすし、戦闘も派手だし、この巻は全体通してもおススメですね。
今巻に登場する主なモンスター
やはりレッド・ドラゴン。
それもパイロンとマータフルール(俗人からはフレームストライクと呼ばれる)という名の二匹のレッドドラゴンが空中戦を演じます。
人間がドラゴンと戦うのは無茶ですからね。ドラゴン同士の戦いで魅せるのは上手い演出。
もちろん他にもモンスターは登場しますが、この巻はレッド・ドラゴンが全部持っていっちゃいました。
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