テンテンちゃんですよ、テンテンちゃん!
それ以外あんまり覚えてない。
キョンシーはご存知でしょうか?
昭和の終わりごろ、突如として訪れたキョンシーブーム。
中国版ゾンビなのですが、おそらくもう知らないという世代も大勢いらっしゃることでしょう。
ホラー映画におけるキャラクターとしてはあの貞子よりも前の時代ですからね。
そんな懐かしいキョンシーですが、ではそのキョンシーについて皆さんはどれぐらいご理解してらっしゃるでしょうか?
今回はそんな懐かしくもあるキョンシーについて調べてみました。
きっとみなさんの創作の糧になるかと思います。
今回も是非最後までお読みいただけると幸いです。
そもそもキョンシーとはなんぞや?
一言で言うなら中国版のゾンビです。
中国に昔から伝わる「生きている死体(リビングデッド)」のことです。
広東語で「キョンシー」
北京語だと「チャンシー」と呼びます。
キョンシーは皆さんが想像するような一般的なゾンビとは違い、外見はまるで生きているかのようです。
ただし動き回るのは夜間のみ。
昼間は棺の中で眠ります。
満州族の服装で、両手の指先をピンと前に突き出し、足もそろえて跳びはねるように進みます。
この動き方がキョンシーの面白さを演出しています。
なぜ満州族の服装なのかというと、それはキョンシーに関する説話は多くが「清(しん)」の時代に書かれたからです。
清は満州民族(女真族)のヌルハチが初代皇帝として1616年に建国しました。
それから1912年まで続いた中国最後の統一王朝です。
その前の「明(みん)」の時代の服装をしていることもありますが、定着したイメージは満州族の正装と弁髪です。
ですので長い長い中国史において、キョンシーが主に語られるのは高々4~500年程度なんですね。
間違っても『封神演義』や『三国志』の世界観で満州族の格好をしたキョンシーを出してはいけないんですね。
キョンシーは人間の呼吸を感知して襲い掛かります。
そのため息を止めている間は、たとえ目の前にいようとも存在を察知されません。
ただしバレたら身の危険があります。
キョンシーは血に飢えており、噛まれると被害者もキョンシーとして甦ることになります。
たとえ嚙まれなくても血に飢えた彼らの食料として、貪り食われる結末が待っています。
怖ろしいことがまだあります。
キョンシーとして長い時間を過ごしたものは、神通力を得て、空を飛べるようになるのです。
その時には「飛僵(フェイキョン)」と名前も変わりクラスアップしてしまうのです。
そうなる前に退治しなくてはなりませんね。
キョンシーの退治方法
まずはキョンシーの見分け方ですが、彼らは死体でありながら腐りません。
ただし腐臭はします。
彼らは死後、風水的に正しく埋葬されなかったものの魂が抜けてしまい、肉体だけが凶暴化して蘇ってくるのです。
甦った彼らの目は赤く、指は鉤のように曲がり、口には牙の列が生えます。
クマなどをひねり倒すほどの怪力を要し、人を襲います。
ただし、です。
彼らの身体は死後硬直しているため関節が曲がりません。
だから足をそろえて跳びはねるのですが、そのため木の枝や梯子を上ることが出来ないのです。
高い場所へ逃げ込めばやり過ごすことは可能です。
退治となるとやはり死体を焼くのが一番ですが、道教の修業を積んだ道士はキョンシーの額に霊符を貼り付け意のままに操ります。
一種のネクロマンサーですね。
しかし霊符が剥がれ落ちると再び凶暴化するので注意が必要です。
これは遠い出稼ぎ先で亡くなった者を運ぶためにキョンシー化させ、歩いて帰らせるために編み出された秘術だと言われています。
最後に禁呪法的な方法として、修行を積んだ者、あるいは素養のある者を一時的にキョンシー化させ戦わせるという方法まであります。
というか日本でヒットした映画『幽幻道士』もTVドラマ『来来! キョンシーズ』もキョンシー化して戦ってましたけどね。
ちなみにこのドラマ版にはキョンシーの亜種も多く登場します。
ベビーキョンシー、キングキョンシー、海賊キョンシーなどなど。
桃鉄のボンビーと変わらないね。
キョンシーが出てくる作品
『ヴァンパイアハンター』
その中のひとり、レイレイはキョンシー化してダークストーカーたちと戦うヴァンパイアハンターです。
双子の姉リンリンが御札に変化してレイレイの額に張り付くことで暴走を抑えています。
レイレイの生年は1730年と、ちゃんと清朝時代に設定されていますよ。
ちなみに戦闘スタイルは種々の暗器です。
『SIMPLE2000シリーズ Vol.65 THE キョンシーパニック』
ビルに取り残された人々を救出するアクションゲームです。
キョンシー好きならやってみてもいいかもしれない。
『キョンシーズ2』
ジャンル的にはアクションRPGかな。
まとめ
いかがだったでしょうか。
かつて日本でこれほどのキョンシーブームがあったことなど、当時を生きた人たちですら言われるまでは忘れていたかもしれません。
昨今はゾンビの出てくるゲームが当たり前のようにあふれておりますが、それよりもずっと前に日本はゾンビに冒されていたのです。
しかも中国に。
正直キョンシーが再び脚光を浴びる気配は今のところありません。
なのでみなさんの創作に大いに使い放題だと思うんですよ。
是非みなさんも新しいキョンシーを作り出して脚光を浴びてみてください。
そのときは是非教えて下さいね。
そして最後にもうひとつ、これだけは言わせてください。
「テンテンちゃんは可愛かったんだ」
それではまた!
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