【トレント(エント)】生きた樹木は森の守護者【モンスターレビュー第74回】

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動き回る樹木の巨人トレント。
戦闘が主体のファンタジーゲームのみならず、童話やおとぎ話といったメルヘンにもよく登場しますよね。

今回はそんな夢のある森の住人、トレントについてご紹介したいと思います。

ファンタジーの知識を知れば、より楽しい!

それでは今回も皆さまの創作活動やゲームへの没入感の参考になることを願って。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

目次

そもそもトレントとはなんぞや?

トレントとは生きた樹木のモンスターです。

木(tree)に、行為者、性質を表す(-ent)を付けてトレント(treant)。
造語であろうと思われます。

神話などに特定のルーツを持つものではなく、特に森の深いヨーロッパ地域において、畏敬の念から生まれた精霊、もしくは信仰の対象とされていたものと思われます。

そのため多くの著作、民話やおとぎ話に登場するトレントは、理性的で、長命ゆえに豊かな知識を持ち、人間に対しても友好、あるいは中立的な立場をとってくれています。

『指輪物語』のエント族

ファンタジーの始祖としてお馴染み、ジョン・ロナルド・ロウエル・トールキン先生の著作『指輪物語(ロード・オブ・ザ・リング)』には、エント族と呼ばれるトレントが登場します。

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エント族はトレント種族の中でも特に有名な種族です。
『指輪物語』の舞台となる中つ国に暮らす長命の種族で、平均身長は人間の3倍近く、およそ4メートル以上。
身体が樹木でできた巨人と言って差し支えないです。

エント族の寿命は長く、物語上、寿命が尽きて死んだエントは今のところいないと言います。
最長老、木の髭ファンゴルンは7千年以上生きているそうです。

言語はエルフ語と独自のエント語を使います。
このエント語、母音が多様で微妙なニュアンスを聞き分ける必要があるらしく、またエント族は長く息を吐き出しながら、ゆっっくりとしゃべるため、とても他種族との会話が成立しないと言われています。
エントからすれば他がみなせっかち過ぎるということらしいですが。

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エント族には男と女がいます。
女性は(entaives)、子供は(entings)と言います。

エント族の男は女をとても愛しています。
しかし女は樹木そのものよりも、根を張る大地が好きです。
そのため女たちはうっそうとした森林を出て、手入れされた庭園や田園に移り住んでしまいました。
それでも男たちは女の元へ出向き、愛を育んだのです。

だが、やがて中つ国に戦争が勃発すると、女たちはその姿を消してしまいます。
伐採されたのか、逃げたのか。
ともかく、こうしてエントは今や森に住む男たちのみになってしまいました。

おかげで新たなエント族が生まれることもなく、彼らはゆっくりと、絶滅への道を歩んでいるのです。

彼らの弱点は伐採されること燃やされることです。
そのため森に仇なす者に対しては徹底抗戦します。
巨大な身体から繰り出される攻撃は、恐ろしい戦闘力となって発揮されます。
知恵のある樹木の巨人に襲われたら。
そう考えると彼らを敵に回すのは得策とは言えませんよね。

ちなみに彼らは「フォルン」と呼ばれる下僕を使役します。
フォルンも樹木の生物ですが意思を持ちません。
しかし攻撃的な性格のため、戦闘などでは大いに役立ちます。
とはいえ自我を失ったトレント。
どことなく物悲しさを誘う存在ではありませんか?

『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』

amazonプライム・ビデオで展開されるドラマシリーズ『ロード・オブ・ザ・リング:力の指輪』
原作『指輪物語』の前日譚として、中つ国最強のエルフ、森の奥方ガラドリエルを中心に、エルフ、ドワーフ、ハーフット、ヌーメノール人、南方人、そしてオークが暴れまわります。
そしてシーズン1のラストではついに指輪が……。
アマゾンプライム会員であれば視聴無料です。ファンタジーの基礎教養です。この機会に是非とも。

トレント登場作品例


じんめんじゅ
ドラゴンクエストII 悪霊の神々』(1987年/エニックス)
樹齢1000年以上の大木に、邪悪な精霊が宿ったもの
自らの葉っぱを使い回復したり、不思議な踊りでMPを奪う

きりかぶおばけ
ドラゴンクエストIV 導かれし者たち』(1990年/エニックス)
人間に切り倒された木が、恨みで魔物に変化した
そのため成長しても切り株のままらしい
トレントからすれば何とも心痛める存在であることか

まとめ

  • トレントは樹木の身体をした巨人、精霊
  • 長命で知識も豊か
  • 人間に対して基本友好的
  • 森林破壊や炎を忌み嫌う
  • 会話や動作がひどくゆったり

いかがだったでしょうか。

植物のモンスターといえば、マンドレイクやドライアードなど、神話や伝説にも数多く登場しますよね。
現代でも特撮番組などで植物系の怪人はよく見られます。

動物や悪魔とはまた違ったうすら寒さを感じずにはいられませんが、皆さんはどうですか?

しかしこのトレントはどちらかというと森の賢者みたいな扱いをされているかもしれません。
いちいち例を挙げるのも憚られる程度には、枚挙に暇がないのではないでしょうか。

一例を挙げるとすれば、『ゼルダの伝説 時のオカリナ』あたり、物語序盤からその気配があったような気がします。

トレントたいうのは人間による森林伐採への警鐘、そういう意味で生まれたモンスターかもしれませんね。

それではまた!

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この記事を書いた人

漫画家になりたくて毎週のように出版社へ持ち込みをしてた人。
ケータイ用ミニゲームイラスト、アンソロジーコミック経験有。
執筆したファンタジー小説を投稿サイトにて公開中。

三匹のカエルと七人の闇堕ち姫
小説家になろう/ノベルアッププラス

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