【人喰い鬼オーガ(オーグル)】Come to 伝説のオウガバトル【モンスターレビュー第80回】

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単純にデカくて、力が強くて、凶暴な、まるで話の通じない相手って怖くないですか?
現代社会では手を出しては社会的制裁を受けるのは明白です。
なので常識的な人は自分の心にリミッターを設けています。
しかしたまにそういうモノを鑑みない無法者がいるのも事実。

これがファンタジー世界であったなら、おそらくあなたもある程度の武装をし、戦う心構えを持っているでしょう。
しかしそのファンタジー世界では無法者のリミッターもまた現代社会とは比較にならないのです。

その単純な暴力を最も具現化したビジュアルを持つモンスターと言えば。
それが今回取り上げるオーガでございます。

ファンタジーの知識を知れば、より楽しい!

それでは今回も皆さまの創作活動やゲームへの没入感の参考になることを願って。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

目次

そもそもオーガとはなんぞや?

人間を捕えて食べてしまう、凶暴で残忍な人型をした巨体のモンスターです。

特に子供や女、時には一国のお姫様すらさらってしまう恐ろしい奴です。

よく日本の「」と同様、もしくは鬼の英名かのような扱いを受ける事もあります。
しかし正確には似て非なるモノです。

人間よりも大きく、身長は二メートルから三メートル、もしくはそれ以上。
腕力は圧倒的で、棍棒ひとつ持つだけで脅威の攻撃力を発揮します。
いかに力自慢の戦士でも正面からぶつかるのは自殺行為に等しいです。

しかしそのぶん知能は低く、子供でも容易に騙されてしまうほど。
そのためよく悪の魔術師に部下としていい様にこき使われています。

個体数は少ないわけではないが、オークやコボルトほど大量に湧いて出ることもない。
ただし出現場所を問わないため、ダンジョンばかりでなく山や丘、森、村外れの廃屋に至るまで、常に遭遇の危険があることは留意すべきである。
部族単位で行動することは稀で、遭遇する場合は大抵単体から数匹程度である。

英語ではオーガ(oger)、またはオーガー。
フランス語でオーグル、またはオグル。
女性型はオーグレス、オーグレーなど。

名の由来で有力なのはローマ神話における死の神オルクスです。
実はトールキン先生が『指輪物語』を執筆するにあたり生み出したオークの由来もこのオルクス説があります。
そう考えるとオークとオーガは同一視してもいいのでしょうか。
現代のゲーマーからすれば受け入れにくい発想かもしれませんね。

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『長靴をはいた猫』

オーガを一般的に広めたのはフランスの作家シャルル・ペローによる『長靴をはいた猫』(『寓意のある昔話、またはコント集〜がちょうおばさんの話』1697年出版に収録)であるとされる。

『長靴をはいた猫』という物語自体はペローのオリジナルではなく、ヨーロッパに伝わる民話である。

主人公のために城を用意しようとした猫が、城に棲んでいた変身能力を持つオーガ(オーグル)を騙して城を奪い取る物語である。

「こんなに小さくは変身できないだろう?」

そう言ってオーガを煽り、ネズミに変身したところを食べてしまったという。
やはり化かし合いには勝てない様が描かれている。

オーガ(オーグル)はヨーロッパの神話、伝承、民話によく登場するが、統一された確固たる名称やイメージに欠けていた。
シャルル・ペローは北欧のトロールにイメージを近づけて『長靴をはいた猫』にオーガと名付け登場させたようだ。
ただしペローの描いたオーガの変身能力は現在の創作界隈ではあまり見かけない。
ダンジョンズ&ドラゴンズ』以降の特にゲームにおけるオーガのイメージは、ひたすらに凶暴で単純である。

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ウィザーズ・オブ・ザ・コースト(Wizards of the Coast)

そんな中、カプコンの『ドラゴンズドグマ』に登場するオーガは面白い。
遭遇すると率先してパーティーの女性キャラを狙ってくるし、下手を打つと連れ去られてしまうのである。
こういう原典に即した行動を見せてくれるとプレイヤーとしてもニヤリとしてしまう。

変わり種としては『ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族』であろうか。
プレイヤーはまず人間以外の5種族からひとつ、自身の転生する種族を選ぶ必要があるのだが、その中の戦士枠とでも言おうか、筆頭に挙がるのがオーガという種族なのである。
この作品でのオーガは力は強いが理知的で、魔法を扱えるわけではないが穏やかな性格を有している。
ドラクエにしては結構攻めた人選ではなかろうか。

まとめ

  • 腕力は強く、知能は弱い
  • 『長靴をはいた猫』で有名になる
  • 変身能力を持っていたがゲームなどではスポイルされた

いかがだったでしょうか。

ところでオーガと言えばすぐに思いつくのがリアルタイムシミュレーションRPG『伝説のオウガバトル』です。
なんともカッコいいタイトルですが、このオウガバトルというセンスはイギリスのロックバンド「クイーン」の楽曲から取られたのは有名な話です。
その楽曲オウガバトルの邦題も「人喰い鬼の闘い」という、なんとまあ、オウガバトルのままでもよかったんじゃと思わなくもないですが。
まあ当時の事はわからないので門外漢は口を閉じます。

オーガというモンスターは創作にて、とても扱いやすい存在です。
それは特殊な能力もなく、見た目が強さのイメージを想起しやすい点にあります。
しかし悲しいことにオーガはやられ役にされることがほぼ100%です。
それだけに『ドラゴンクエストX』におけるオーガの扱いには希望が感じられます。

皆さんはどう思われますか?

それではまた!

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この記事を書いた人

漫画家になりたくて毎週のように出版社へ持ち込みをしてた人。
ケータイ用ミニゲームイラスト、アンソロジーコミック経験有。
執筆したファンタジー小説を投稿サイトにて公開中。

三匹のカエルと七人の闇堕ち姫
小説家になろう/ノベルアッププラス

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