有名な悪魔と言えば?
みなさんもいくつか思いつくかと存じます。
アスタロト、アスモデウス、ベリアル、ベルゼブブなど。
1972年。
突如としてここに食い込まんばかりに名を挙げた、ひとりの悪魔が登場しました。
「デビルマン」です。
そして今回ご紹介する「炎の侯爵アモン」は、そのデビルマンの主役悪魔でございます。
悪魔の中でも最もヒーローに近い、そんな彼についてまとめてみました。
ファンタジーの知識を知れば、より楽しい!
それでは今回も皆さまの創作活動やゲームへの没入感の参考になることを願って。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
そもそもアモンとはなんぞや?
アモンとは、ソロモン王が使役した72柱の悪魔のひとりです。
古代イスラエル王ソロモンが書いた(とされる)17世紀に広まった魔導書『レメゲトン(ソロモン王の小さな鍵)』第一部「ゴエティア」に記載された、序列第7位、40の軍団を指揮する地獄の侯爵です。
「悪意」と「利己」を司り、強靭な体躯と鋼の意志力、圧倒的な戦闘力から72柱の中でも最強の一角を担います。
アモンという名は「隠された者」「不可解なる者」「計り知れぬ者」などといった意味を持ちます。
その名の示す通り、姿かたちですら長らく定まらないほど謎に満ちた悪魔でした。
現在一般的にイメージされるアモンとは、19世紀、フランスの作家コラン・ド・プランシー による『地獄の辞典』にて、フクロウの頭に狼の牙と胴体、蛇の尾という描写がなされ、木版画家M・L・プルトンがそれを忠実に挿画に著しました。
それまでのアモンは人の身体にフクロウの頭部であったり、狼の身体に蛇の頭部だったりと、形が定まっていなかったのです。
また、どの形態であっても口から炎を吐くことから「炎の侯爵」という異名を持っています。
アモンの所持スキル
卓越した戦闘力に炎のブレス以外にも、アモンにはいくつものスキルが備わっています。
そのスキルで召喚者の願いを叶えることも出来るのです。
- その1「過去と未来を知り知識を授ける」
- その2「愛に関する秘密を教えてくれる」
- その3「仲違いを調停する」
- その4「詩の才能もある」
その1「過去と未来を知る」というのは、ソロモンの悪魔ではわりとポピュラーなスキルでして、他にも多くの者がこのスキルを有しています。
彼らにとっては基本なのでしょう。
その2「愛に関する秘密」はあなたの想いを成就してくれるというものです。
恋愛テクニックをご教授してくれるような感じで、地獄の侯爵のイメージとしては随分と柔らかいですね。
その3「仲違いの調停」とはいさかいを起こした者同士を仲直りさせるというもので、イメージ的にはヤンキーの兄貴ぶん的な。俺を殴れ。その代わり今日からダチだ。みたいな?
その4「詩の才能」は居並んだ諸侯たちが感動して涙したほどの才能だそうです。
総論として、仲間思いの兄貴ぶん。そんな感じですかね。
アモンの出自
アモンはキリスト教圏で悪魔、魔神とされましたが、元々の出自はエジプト神話のアメン(またはアムン、アモン)神と言われています。
エジプト神話の神々は時代の変遷に従って、様々な地域の神々が合成されていくのですが、アメンは初期から登場している神です。
太陽神アメン・ラーや豊穣神アメン・ミンなどその力は衰えることがありませんでした。
デビルマンとして一躍有名に
永井豪原作のマンガ『デビルマン』は、単行本にして全5巻ととても短いながらも、当時の読者に鮮烈なイメージを叩き込んだ名作です。
ファンタジーやホラーといったジャンルで創作を志すのなら義務教育と思って差し支えない作品です。
悪魔に対向するため、自らの身体と魂に悪魔を宿すことを選んだ主人公、不動明。
宿ったのはアモンでした。
こうして悪魔の力を手に入れた正体を隠しつつも、デビルマンとして、救いのない戦いに身を投じる物語なのです。
ぜひご一読をおすすめします。
まとめ
- アモンはソロモン72柱の悪魔のひとり
- フクロウの頭に狼の身体をした強力な悪魔
- 戦闘だけでなく愛や仲違いをまとめる事もある
- デビルマンに抜擢され有名になった
いかがだったでしょうか。
デビルマンと同じように、アモンを宿す主人公として、プレイステーション2『シャドウハーツ』シリーズがあります。
こちらはRPGですが、主人公のウルは悪魔に変身しながら第一次世界大戦前後の時代を世界中旅して回る、ホラー冒険活劇の体をとっています。
1はホラー要素が強めですが、2はコメディタッチも多く、PS2のRPGとしては指折りの名作なのは間違いありません。オススメです。
このようにアモンは他の大悪魔とは少々違って、敵側よりもダークヒーロー的な扱いを受けることが多いようです。
これもデビルマンのイメージ効果と思われます。
逆に敵として出た場合、強敵として描かれるのは間違いないでしょう。
みなさんも是非、アモンに注目してみてください。
それではまた!
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