【竜人ズメウ】強そうで割とあっけない東欧の亜人【モンスターレビュー第110回】

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亜人と呼ばれる存在が、ファンタジーでは多くいます。
エルフやドワーフがそうですし、作品によっては猫や鳥といった動物が人型に進化したものも珍しくありません。
となると、ファンタジー界最強の生物であるドラゴン。
このドラゴンを人型にしようとは誰しもが思い至る所ではないでしょうか。

今回はその中の一種、東欧のズメウについてです。

ファンタジーの知識があれば、より楽しい!

皆さまの創作活動の参考になりますよう。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

目次

ズメウとは

ズメウとは竜の特徴を持った人型の亜人種である。

東欧、特にルーマニアあたりの民話伝承に登場する亜人で、竜の特徴を持った人型であることから竜頭の二足歩行する生物であると推察される。
ただし物語によってはその美貌でもって人々を惑わす描写もあり、必ずしも竜の頭を模しているとは言い難い。

竜、すなわちドラゴンの眷属である以上、やはり相応の実力者ではあるのだが、民話で語られるズメウたちは物語の主人公にやり込められるシーンばかりで、残念ながらその実力を発揮できていないようだ。
特に有名なのは『勇者ペトレアとイレアナ』という物語である。

『勇者ペトレアとイレアナ』

乳離れの異様に遅かったペトレアであったが、青年となると勇者の資質に目覚めた。
森の奥深く、七人兄弟のズメウが住む屋敷に乗り込むとたちまち彼らを成敗してしまう。
6人まで成敗し、残りはひとりとなった時、その最後のひとりは56すには惜しい美貌を備えていた。
そこでペトレアは屋敷をわが物とし、母親を呼び寄せ住まわせ、生き残ったズメウは屋敷の奥に幽閉してしまった。
母親にはこの部屋は開けないように、と釘を刺し、自分は森で出会ったイレアナと恋人となり逢瀬を楽しんでいた。

ある時、掃除をしていた母親が幽閉されていたズメウの存在を知ってしまうことに。
その美貌に魅了され、母親はズメウと仲良くなってしまう。
それどころか自分の息子であるペトレアよりもこのズメウと暮らしたいと思うようになった。
ズメウはこの母親を利用してペトレアを葬ろうと画策する。
例えば病気によく効くスープを作るためと、危険な場所へ食材を採りに行かせるなど、次々と危険な冒険を課させた。
しかしそのどれをもペトレアは恋人であるイレアナの助言を受けて軽々とクリアーしていった。

これはもう埒があかんとなり、結局よく斬れる絹の糸を使いペトレアの手首を母親に斬り飛ばさせ、その隙に五体をバラバラに切り刻んでしまった。
だがイレアナがバラバラになったペトレアを蘇生させるとズメウは孔雀に化けて逃げ出す。
そのズメウの心臓をえぐりだし56したペトレアは母親にこう持ち掛ける。

「この心臓は私とあなた、どちらか愛情の足りなかった方へと飛びつき、爆発する」

心臓は母親へと飛び、目の前で爆発。彼女はその後盲目となって一生を過ごしたという。

他にも『ドレガン・チェヌシュ』という物語では、ズメウのスコルピアという女王が縄張りに入り込んだ皇帝と妃に激怒し、月と星、皇帝の目玉を盗み世界を闇に閉ざしてしまうお話もある。
なかなかに強い力を持った女王であるが、皇帝の三男ドレガン・チェヌシュという勇者により退治されてしまう。
金、銀、銅の馬に乗ったスコルピアの息子たちを倒し、リンゴの木や泉に化ける娘たちも倒すというファンタジックなバトルストーリーとなっている。

なんとなくだがズメウは力任せの脳筋戦法というよりも、魔力やずる賢さを押し出した戦法を使う傾向にあるようだ。

またルーマニアと言えば吸血鬼伝説のメッカでもある。
実はズメウとは吸血鬼を指すこともあるようで、いわば広義の「鬼」や「妖精」「妖怪」と言った意味もあるようだ。

おわりに

ズメウとは竜人というイメージで語られることが一般的である。
ドラゴンタイプの亜人というとファンタジー界隈では真っ先に『ドラゴンランス戦記』が思い浮かぶことであろう。
ご存知元祖RPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の世界観をベースにしたファンタジーノベルシリーズである。
この作品には悪の軍団の兵士としてドラコニアンなる竜型の亜人が登場する。
二足歩行する人型の竜人で、羽もあり、恐ろしいのは死ぬと体が石化してしまうのだ。
そのため剣や槍で突き刺したりすると自前の武器を取り戻せなくなってしまう。
もしあなたの武器が大事なものであるならば、ドラコニアンと戦うときは打撃武器で戦うことをお勧めします。

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ズメウについては民話で語られることが多いので、なんとなく実力に見合った活躍がされていないようです。
今後新たな物語が生まれるといいですよね。

それではまた!

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この記事を書いた人

漫画家になりたくて毎週のように出版社へ持ち込みをしてた人。
ケータイ用ミニゲームイラスト、アンソロジーコミック経験有。
執筆したファンタジー小説を投稿サイトにて公開中。

亜人世界をつくろう! ~三匹のカエルと姫神になった七人のオンナ~
小説家になろう/ノベルアッププラス

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