よく大根などの根菜が人型のような形に生育することありますよね。
二股に分かれていて、なんか卑猥に見えたりすると嬉々として画像を挙げたりする人。
しかしかつてはそれが恐ろしい物だと思われていたのです。
間違って地面からひっこ抜こうものなら、その者は間違いなく即死してしまうという。
マンドレイクはご存知ですか?
別名「マンドラゴラ」。
今回はカテゴリーをアイテムレビューにしようかとも思ったのですが。
というのもこのマンドレイク、実は人に害なすモンスターとしてよりも、魔法の触媒や錬金術の材料としての扱いの方が大きいからなのです。
とはいえ多くの資料でモンスター扱いされているので、こちらもそれに倣うことにしました。
ファンタジーの知識を知れば、より楽しい!
それでは今回も皆さまの創作活動やゲームへの没入感の参考になることを願って。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
そもそもマンドレイクとはなんぞや?
マンドレイクは植物型のモンスターです。
ヨーロッパ各地に伝承があり、マンドレイクの他に「マンドラゴラ」「アルラウネ」「曼陀羅華」などと同一視されます。
マンドラゴラはペルシャ語で「愛の野草」
アルラウネはドイツ語の古い形で「秘密に通じる」という意味があります。
マンドレイクは地面に植わった植物で、地下の根の部分が人型に見えます。
葉茎部分がちょうど髪に見えたり、釣り鐘型の紫の花、オレンジ色の実が成っていたりします。
そして成長すると自力で地面から這い出て歩き回ります。
男女の区分があり、白い根は男型、黒い根は女型をしています。
その根は錬金術によく使われ、媚薬や不老不死の薬の材料になります。
ちなみに、男を惑わす媚薬を作りたければ、黒い根の女型を材料に、女を惑わす媚薬を作りたければ、白い根の男型を材料にしましょう。
マンドレイクを採りにいこう
マンドレイクは錬金術の材料として高く売ることも出来ます。
媚薬や不老不死の薬が出来るのですから当然ですよね。
しかし裏を返せばそれだけ貴重な物であるということ。
多くの商人がそれを欲し、もしかしたらこれを読んでいるあなたも欲しいと思っているかもしれませんね。
メルカリやラクマで売れますでしょうか?
マンドレイクの咲く場所
では実際に採取するとして、まずはマンドレイクが咲く場所を特定せねばなりません。
これには一番確率が高い場所があります。
処刑場、それも絞首台の真下です。
マンドレイクは絞首刑になった罪人が苦痛の最中で出した精液によって生まれます。
首吊った時に射精するのかは不明ですが、そう言われています。
そのため絞首台の真下に一輪だけ咲くとされています。
他にも例はありますが、地中に埋められた死体を養分に生育するとかなので、あまり気持ちのイイ場所には咲かないようです。
それもそのはず。
マンドレイクの一番恐ろしいのは地面から引き抜く時なのですから。
マンドレイクの採取方法
マンドレイクは地面から引き抜かれた際、耳をつんざくほどの絶叫を挙げます。
その声を聴いた者は必ず即死するのです。
耳を塞ぐとか、耳栓をするとかでは防げません。
それではどうやって採取するのか?
最もポピュラーなやり方は犬を犠牲にするやり方です。
犬の首輪とマンドレイクの茎の部分を紐で結わえます。
そして遠く離れた位置から犬を呼び、紐で引っ張り引き抜かせるのです。
当然犬は死にます。
しかしマンドレイクの絶叫ボイスも一度きりの大技なので、引っこ抜いたあとは無害なのです。
ただしこれは犬の尊い犠牲が付き物ですし、なによりマンドレイク一本につき犬一匹の犠牲という、あまり効率はよろしくない方法です。
ちなみに犬に引っ張らせる前にマンドレイクの周囲をシャベルで掘っておくのがオススメです。
引っこ抜きやすくなりますよ。
犬を犠牲にする以外にも方法がないでもないです。
というかこんなことはしたくありませんよね。
マンドレイクは自身が採取されると感付くと、慌てて逃げ出そうとします。
そこを捕まえるのです。
ただし逃走するマンドレイクを止めるには、女性の尿か経血をかけてやる必要があります。
これもまた可笑しな話ですが犬を犠牲にするよりかは幾分マシでしょう。
なんだか変な植物ですね。
実際のマンドレイク
実際にマンドレイクというナス目ナス科の植物があります。
その根には各種薬効成分が含まれ、麻薬など幻覚を見せる薬も生成できます。
大根やショウガなど、二股に分かれた根菜が人間の形に似ることはよくあります。
その中でも朝鮮人参は複雑な形に生育し、漢方としての効能も備わることからマンドレイクのモデルではないかと思われます。
あのクレオパトラも愛飲していたそうですよ。
マンドレイクの出てくる作品
マンドレイクというモンスターとして。
はたまたマンドラゴラというアイテムとして。
ファンタジー作品には頻繁に登場するようです。
『ドラゴンクエストIV』にはマンドレイクというモンスターが登場しますが、どちらかというと食人植物といったデザインで、微妙に違います。
『ドラゴンクエストVI 幻の大地』
植物の根の形をしたモンスターで、色違いにダンスキャロット、ポイズンキャロットがいる。
同デザインはトルネコシリーズやヤンガスなど、不思議なダンジョンシリーズに多く登場している。
『ドラゴンクエストモンスターズ テリーのワンダーランド』
こちらのマンドラゴラはモンスターズ2にも登場している。
『悪魔城ドラキュラ サークル オブ ザ ムーン』
主人公ネイサン・グレーブズはカードの組み合わせで特殊能力を発現できます。
その中の1枚がマンドラゴラのカード。植物に属するカードで、茨の鞭で攻撃したり、三方向に飛び道具を発射したりできます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
なんとなく個人的にはマンドレイクよりもマンドラゴラという呼び名の方がしっくり来るのですが、多くの資料でマンドレイク表記であったため、そのようにしてみました。
それでも別名が色々あるのはややこしくてイヤ、という方のために区別方として、モンスターとしてはマンドレイク。素材としてはマンドラゴラ、もしくはマンドラゴラの根、マンドレイクの根、などと分けてもイイかもしれませんね。
なんにしてもファンタジーにおいて、怪しい薬の素材としてはユニコーンの角に並ぶほどメジャーな存在です。
是非みなさんの創作にも役立ててください。
あ、採取の際はキノコ狩り以上にお気をつけを。
それではまた!
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