あなたは永遠の命が欲しいとは思いませんか?
「いらないね! 不幸になるに決まってる」
なんてそう斜に構えなくっても、一度くらい考えたことはあるでしょう?
それに不幸になると決まったわけでもない。
なんせまだ誰も手にしたことがないのですから。
マミーはご存知でしょうか?
ピンと来ない?
じゃあミイラならどうでしょう。
マミーとはミイラの英語読みです。
ですのでマミー=ミイラです。
そしてミイラとは永遠の命を手にするための、避けては通れない通過儀礼なのです。
永遠の命が欲しいあなたも、欲しくないあなたも、創作ネタにはなりますから、ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。
ファンタジーの知識を知れば、より楽しい!
それでは今回も皆さまの創作活動やゲームへの没入感の参考になることを願って。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
そもそもマミーとはなんぞや?
概略
(ゲームやアニメなど創作世界の)マミーとは、古代エジプトモチーフのアンデッドモンスターです。
- 全身を包帯でぐるぐる巻きにした動く死体。
- 墓を荒らす者が現れると、棺から目覚めて襲い掛かる番人のような存在。
能力など
- エンカウント時にサプライズチェックがあったりして、ファンブル(失敗)するとプレイヤーがマヒしたりする。
- 被ダメージで毒やウィルスによる追加効果が発生する。
- 体も包帯も乾燥しているため火が弱点。
- 稀に「呪い」を付与される。効果は様々。薬は効かず、司祭による「リムーブ・カース(解呪)」でしか癒せない。
- ほかに神聖な生き物とされる猫が苦手。
ミイラとは
古代エジプトでは魂は不滅、死後もいずれは魂が肉体に戻ると信じられてきました。
そのためにも肉体が腐ってしまっては困ります。
そこで考案、開発されたのが人類史上画期的な死体の保存法、それがミイラなのです。
けどミイラとはあくまで死体の保存をするシステムのことです。
しかも生き返ってくれと言う願いが込められた神聖なものであり、モンスター扱いしていいものではありません。
マミーは近代生まれのモンスター
ゲームなどのフィクションでは「ミイラ」や「ミイラ男」というのも出てきますが、より「マミー」と呼ぶモンスターの方が一般的です。
ですがミイラが人々を襲う恐ろしい存在とは古代の神話にはありません。
先に結論を言うと、マミーとはハリウッド映画から生まれた近代生まれの、比較的新しいモンスターなのです。
アメリカ発の新モンスターが多いのは、やはりSF小説やゲーム、映画がいち早くブームを起こしているからでしょうか。
マミーの初出は1932年の映画『ミイラ再生』です。
アメリカ映画から生まれたから、名前がミイラの英語読み「マミー」なんですかね。
ちなみに名前の由来はほかにもあって、死体保存のために身体に塗った高価な香油ムミア(Mummia)だとされます。
マミーの生まれた背景
ところで皆さんは古代のエジプトやピラミッドにどのような印象をお持ちでしょうか?
「ロマン」とか「歴史」とかあると思います。
でもこんな印象もありませんか?
それは「呪い」です。
王の墓というと金銀財宝が共に埋葬されていて、それを狙った盗掘も盛んに行われた。
しかし墓を荒らすものには必ず「王家の呪い」が降りかかると言う。
棺を開けると眠りを妨げられたミイラが襲いかかってくる。
そんなイメージありませんか?
この「呪い」のイメージを世界中に植え付けた事件が1922年11月4日にありました。
考古学者ハワード・カーターが「王家の谷」にて未盗掘の墓を発見したのです。
それが「ツタンカーメン王の墓」でした。
しかしその墓の入り口には不気味な碑文が記されていました。
意訳すると、
「偉大なる王(ファラオ)の墓に触れた者に、素早き翼をもって死が飛びかかるであろう」
この不気味な文章が現実のものとなります。
なんと調査団のスポンサーであるカーナボン卿が突然死してしまうのです。
それだけではありません。
なんとその後8年間で関係者が次々と22人も亡くなってしまったのです。
このニュースはたちまちのうちに「ファラオの呪い」として世界中を駆け巡りました。
そしてこの呪いを背景にハリウッドではミイラのホラー映画が作られ、新たなモンスターが誕生したのです。
呪いの真相
この「ファラオの呪い」については様々な仮説、憶測が溢れました。
密閉された玄室内には現代人が抗体を失ってしまった太古の病原菌が充満していたとか。
しかし真相は違います。
実は墓の入り口にあったこの碑文、これはマスコミの全くのデタラメ、創作だったのです。
そもそも13人の調査団メンバーで亡くなったのは2人だけです。
亡くなったと言われる関係者と言うのも親戚の誰かだったり、その時たまたま見学していた人だったりと、無理矢理もいいところなんです。
だいたい調査団リーダーであるハワード・カーター氏も1939年、65歳まで元気だったそうです。
発見から17年もたってます。
実はスポンサーであるカーナボン卿が、この世紀の発見である「王家の谷」について、タイムズ誌と独占契約していたそうです。
それに不満を覚えた他誌の記者が呪いをでっち上げたんだそうです。
まったく、いつの時代もマスゴミはマスゴミなんですね。
「マミー」って実は「マスゴミ」を略した名前なんじゃ?
マミーが出てくる作品
『ハムナプトラ』
エジプトを舞台にしたアクション映画です。
ただ序盤にトラウマレベルの納棺シーンがあるので、虫系が苦手な人は要注意です。
『ヴァンパイアハンター』
様々なモンスターが登場する対戦格闘ゲームです。
アナカリスはミイラ系巨体モンスターでしたね。
無印でもセイヴァーでもなくこのハンターが一番遊びましたよ。
セガサターン版でした。
まとめ
いかがだったでしょうか。
エジプトぽい世界観を扱うファンタジーが少ないせいもあって最近はあまり見かけませんが、マミーもまだまだ魅力的でアレンジの余地が多いモンスターだと思います。
あなたの創作力を発揮して、新たなマミーを生み出してはみませんか?
それではまた!