古代エジプトの王族にとって、一番恐いこととはなんでしょうか。
それはたぶん、「死んでも生き返れなかったらどうしよう!」という悩みでしょうね。
アメミットをご存知でしょうか?
たぶん聞いたことあるエピソードの登場キャラなのですが、名前まで知っているという方は稀かもしれませんね。
このモンスターは古代エジプトで最も恐れられた存在だったようなのですが、いったいどういうことなのでしょう。
一連の儀式は独創的で、皆さんの創作ネタの一助となるかと思います。
ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。
そもそもアメミットとはなんぞや?
・エジプト神話に登場。
・名前の由来は「貪(むさぼ)り喰うもの」
・ワニの頭、ライオンの胴体、後ろ足はカバ。
・冥界の王オシリスに従い、罪人の心臓を喰らう獣。
・死者の復活を信じる古代エジプトの民から最も恐れられた。
ざっくり言うとワニ型のモンスター。
意外とゲーム等では数少ないワニがモチーフの貴重な奴ですね。
エサは罪人の心臓
アメミットは冥界の王オシリス神に従い、彼による「死者の審判」を手伝います。
古代エジプトの『死者の書』によりますと、死者はあの世の入り口でオシリス神の審判を受けます。
やり方は簡単です。
天秤の片方に自分の心臓を乗せて、もう片方の「真実の羽」と釣り合えば、死後も永遠の生を保証される。
だが釣り合わない場合、その者は穢れた存在、罪人として、その心臓をアメミットに喰われてしまうのです。
しかしそれには魂が不可欠であり、心臓に宿るとされる魂ごとアメミットに喰われてしまうと、もう復活は絶対ムリなんですね。
なのでアメミットは古代エジプトにおいて最も恐れられた存在だったのです。
死者の審判に関わる神々
なんとも成功率の低そうな死者の審判ですが、この審判にはそれなりの数の神々が係わります。
まずはオシリス神。彼は全体の責任者です。
そしてその補佐役がアヌビス神。頭が犬みたいな神です。
心臓を食べるのはアメミット。
「真実の羽」を提供するのは女神マアト。
判定役は知恵の神トトです。
ここで一番聞き馴染みのないのは女神マアトではないでしょうか?
彼女は太陽神ラーの娘です。
頭に「シュウ」と呼ぶダチョウの羽を載せています。
この羽が「真実の羽」です。
この女神マアトはこれ以外あまり主だったエピソードはないそうなので、創作のアレンジし放題かもしれませんよ。
ちなみにトト神の妻らしいです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
アメミットが恐ろしいのはわかりましたが、あまり派手なエピソードが有るというのでもなく、淡々と繰り広げられる儀式そのものにうすら寒さを感じてしまいますね。
とにかくエジプト神話とは「死」にまつわるテーマが色濃いです。
そのなかで正真正銘の死を与える存在がアメミットであるということは、どれだけ恐れられていたかの指針となるのではないでしょうか。
面白い発想ではありますので、どうぞ皆さまの創作力で、新たなるアメミットを創造してみてください。
そのときはぜひ教えてくださいね。
それではまた