初めて『呪術廻戦』を読んだ時、第1話の主人公初登場シーンで、主人公「虎杖悠仁」の名前が読めなかった。
ルビも小さくて、読み方もわからなくって、目と脳が混乱して、読むのを止めようかと本気で思ったぐらい。
結局そのあとハマりましたけど。
宝剣クトネシリカはご存知でしょうか?
アイヌの叙事詩『ユーカラ』に登場する少年英雄が持つ剣の名前です。
そしてこの剣の別名というか、和銘が実は少年ジャンプの大人気漫画を彷彿とさせるのです。
とまあ煽ってみましたが、そんな大層なつながりはないので、サクっとお読みいただければ幸いです。
ファンタジーの知識を知れば、より楽しい!
それでは今回も皆さまの創作活動やゲームへの没入感の参考になることを願って。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
そもそもクトネシリカとはなんぞや?
クトネシリカ。
またはクトゥネシリカ、クドネシリカ。
北海道はアイヌの叙事詩『ユーカラ』にて登場する、英雄の少年ポイヤウンペの使う宝剣、神刀の名です。
刃の反った曲刀で、鍔や鞘にオオカミの神やキツネの神、雷神をあらわす雌雄の龍神が装飾されています。
カッコいいですね。
しかしなんでオオカミやらキツネやら雷神やらとごちゃごちゃ装飾されているのか。
ポイヤウンペはこの刀に憑いたこれらの神を使役して戦う英雄なのです。
神を召喚する依り代としての刀なんですね。
言語学者であり、国語辞書で有名な金田一京助氏は、この英雄叙事詩を翻訳する際に、クトネシリカを「虎杖丸(いたどりまる)」と訳しました。
どうして虎杖丸なんでしょう?
どうして虎杖丸っていうの?
クトネシリカ。
言葉の意味はクトネの部分が「つる草」、シリカが「鞘、飾り」。
茎の部分が中空になっているつる草に「イタドリ」というものがあり、またアイヌの方言でクトゥでイタドリを表すとされてます。
イタドリとは、タデ科の多年生植物です。
若葉をもんで傷口に着けると止血効果がある薬草です。
そこから「痛み取り」転じて「イタドリ」です。
もう一度言います。
「痛み取り」転じて「イタドリ」です。
で、そのイタドリですが、実は茎が丈夫でしかも軽いことから「杖」としても使われました。
茎の見た目が虎の毛のような横縞、いわゆる「虎斑(とらふ)模様」であることから「虎杖(こじょう)」と書いて「イタドリ」と当て字したのです。
当て字なのです。
関節痛などに聞くサプリメントも北海道から販売されているようですね。
少年英雄ポイヤウンペ
物語上の少年英雄ボイヤウンペとはどういった人物なのでしょうか。
名前の意味は「本土の若者」。
両親を亡くしており、主要な8つの戦いの中で自身の出生の秘密に迫るというお話です。
クトネシリカに憑いた神々と共に戦う英雄なのですが、彼自身も超人です。
北海道から樺太まで泳いだり、臓物をはみ出させながらも戦い抜いたりと、結構グロイですね。
でも「黄金のラッコ争奪戦」とか「敵キャラの妹であるヒロイン虚病姫(きょびょうひめ)との恋バナ」など、少年漫画チックな展開もちゃんとあります。
てか黄金のラッコって興味をそそられますね。
クトネシリカの出てくる作品
『大神』
日本神話を題材にした白いオオカミが主役のアクションゲーム?
この作品にクトネシリカが登場するようなので、きっと『呪術廻戦』の作者はここからインスパイアしたんじゃなかろうかと。
でも作者は岩手県出身のようだし、『ユーカラ』から取ったとしてもおかしくないですかね。
『大神』に関しては未プレイなのであまり書けません。
でも無視はできなかった。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は『呪術廻戦』という近年のヒット漫画によって突然注目されることになった「虎杖丸」こと「クトネシリカ」を取り上げました。
呪術抜きにしても「憑いた神々を使役する神刀」って設定もカッコいいですよね。
それではまた!