国民的RPG『ドラゴンクエスト』のマイナーモンスターを発掘する回。
今回はアカイライです!
2024年11月に全国民待望のフルリメイク作品『ドラゴンクエスト3 HD-2D』が発売されます。
それを記念して、今回もまたドラクエにしては聞き馴染みのない、いわゆるマイナーモンスターの元ネタを探ってみたいと思います。
当ブログでは以前にも「アルミラージ」「ラゴンヌ」などを取り上げご好評をいただいております。
今回の記事とあわせてどうぞ。
ファンタジーの知識があれば、より楽しい!
皆さまの創作活動の参考になりますよう。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
アカイライとは
スーパーファミコン版『ドラゴンクエストIII』
さて、まずはおさらいです。
アカイライとはどんなモンスターだったでしょうか。
その姿はまさに異形です。
大きなくちばしを持った鳥の頭部から長い2本の足が生えています。
胴体も羽根もなく、鳥のようですが当然空を飛ぶことも出来ません。
アカイライとは言いますが、毛の色は青く、肌は紫色です。
登場作品も「III」と「IX」の2作品にとどまります。
ファミコン版『ドラゴンクエストIII』
このモンスターがプレイヤーの記憶に残った要因はただひとつ。
1/2048の確率でドロップするレアアイテム「悟りの書」を狙い乱獲されたからです。
「悟りの書」とは賢者に転職するために必要なアイテムですが、宝箱からの入手はゲーム全体を通してひとつだけ。
魔法使いの呪文と僧侶の呪文を全てひとりで扱える賢者は誰しもが憧れる職業でしたので、転職に必須なこの「悟りの書」を持つアカイライが乱獲されたのです。
ですが後に遊び人だけは「悟りの書」を必要とせず賢者に転職できると知れ渡るとこの乱獲騒ぎも沈静化することになります。
ゲームボーイカラー版『ドラゴンクエストIII』
それにしてもこのアカイライとは一体何なのでしょうか?
鳥の頭に足が2本生えているだけ、という奇抜なデザイン。
どこに原典があるのだろうかと世界中の神話や伝説を探ってみたところ、答えは割と近いところにありました。
それはRPGの元祖である『ダンジョンズ&ドラゴンズ』の中でした。
アカイライの元ネタはアケイライ
『ダンジョンズ&ドラゴンズ』にはアケイライというモンスターがいます。
体長は15フィート以上(4.5メートル)ある巨大な飛べない鳥で、ウズラのような体にコウノトリのような脚が4本も生えています。
地獄界アケロンに棲息し、インファーナル(地獄語)を話します。
性格は邪悪で狡猾。他の生物を捕食すだけでなく、責め苦を与え楽しむ思考も持ち合わせます。
1日に3度まで毒性の黒雲を放出でき、自分以外の半径10フィート以内の他生物を苦しめるのです。
いかがですか? アカイライとそっくりでしょう?
アカイライは赤イライではなく、地獄界アケロンから来ているのがわかりますね。
実は同じ『ドラゴンクエストIII』にはラゴンヌという、これまたマイナーなモンスターが登場するのですが、こちらも同様に元ネタは『ダンジョンズ&ドラゴンズ』からでした。
まあ当然影響は受けますよね。
そしてやはりインパクトが強かったのでしょう。
以上がアカイライの元ネタを探った結果になります。
元ネタのアケイライは地獄の言語を使い、他者の苦しみに愉悦を抱く知能もある。
そんなモンスターから発想されたアカイライが賢者になるための「悟りの書」を低確率で所持している。
この「悟りの書」にはいったいどんなことが書かれているのでしょうか?
おわりに
大変に楽しみな『ドラゴンクエスト3HD-2D版』ですが、実はアカイライの「悟りの書」ドロップは初代ファミコン版だけのようです。
その後のリメイク作品、SFC版やGBC版ではドロップしないそうです。
その代わりゲーム内で手に入る「悟りの書」の数が増えていますし、そもそもあまりに低確率すぎて、まずドロップしないほどにレアだったのであまりそこを残念がる人もいません。
とはいえアカイライにとっては絶対的な個性でもあったと思うので、どうせならまたドロップするようにしてもらえると嬉しいかな。
それではまた!