【円卓の騎士リスト】アーサー王に仕えたナイツ オブ ザ ラウンド一覧【ヒーローレビュー第14回】

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「剣と魔法のファンタジー世界」
そのモデルともなる中世ヨーロッパ風の世界観
それはまさに騎士道精神華やかなりしロマンスにあふれた世界

その代表格ともいえるもっとも有名な騎士団と言えば、やはりアーサー王と円卓の騎士ではないでしょうか。
彼を描いた文献、創作物は数多く、古い時代故に多くの未解明部分と相まって非常に多くの諸説が入り乱れます。

そこで今回は知ってるようで知らない、把握していない、円卓の騎士たちについてザックリとご紹介したいと思います。

ファンタジーの知識があれば、より楽しい!

皆さまの創作活動の参考になりますよう。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。

目次

アーサー王と円卓の騎士とは

ブリテンの王であるアーサーの居城キャメロットに設えられた円卓を囲う騎士たちのことです。

時代は5~6世紀ごろのブリテン島(イギリス)。
王者の剣エクスカリバーを岩から引き抜いた15歳の少年王アーサーは、侵略を試みるサクソン人を追い払い、ローマからも独立し、ブリテンに一時の平和をもたらしました。
そんな英雄王に各地から集まった騎士たちが忠誠を誓うようになります。
その中でも最高位の騎士たちに贈られる称号が「円卓の騎士」でした。

円卓には13の席が用意され、そのひとつにはアーサーが、残りの席には選ばれた騎士が座ることを許されます。
騎士として勇気と武勲、気高さなど、騎士道精神を認められた者だけが座ることを許されるのです。
資格のない者が座ろうとしても魔術師マーリンの掛けた魔法により弾かれてしまいます。
ただし13番目の席だけは呪いが掛けられ、常に空席となっています。

席数については作品ごとに差異があり、どれが正しいとは言い難いです。
12から300、1600、アーサーに仕える騎士全員が円卓の騎士である、というものもあります。

円卓の騎士の人数に上限が設けられている場合、新たな騎士が円卓の席を獲得するには席が空くのを待つしかありません。
騎士は常に冒険へと出かけていきます。
そこで止む無く命を落とす騎士もいます。
そうして欠番が生じた際に新たな騎士が任命されます。
また世代交代によるものもあります。
円卓の騎士にはアーサー王の実の息子でもあるモードレッドの名も連なるのです。

ちなみに円卓はアーサーの妻である王妃グィネヴィアの父、カメリアドのレオデグランス王が、キャメロット城の新築祝いに持ち込んだものでした。
円卓である理由は上座も下座もない、王と言えど騎士たちと対等である、という理想の表れでもあります。

円卓の騎士たち

上記のように円卓の騎士の人数は物語により異なり、また時期によっても異なります。
そもそもアーサー王伝説とは12世紀初頭にジェフリー・モンマスという司教にして歴史家がまとめた『ブリタニア列王史』により広まりました。

それまでアーサー王の名前は歴史の端っこにありましたが、各地の騎士物語を併呑することでアーサー王物語として再構成され人気を博したという次第です。
そのころは第1回十字軍遠征などもあり騎士物語は人気だったのでしょう。
というわけで円卓の騎士たちは(他の多くの神話、説話集同様に)本来独立した物語を集めたものという側面があるわけです。
その代表ともいえる作品がトマス・マロリー『アーサー王の死』である。


ちなみに本来5~6世紀ごろの設定であるアーサーと円卓の騎士ではありますが、イメージとしてはブームの起こるこの12世紀初頭ごろの騎士(特に鎧甲冑といった装備品)のイメージが現在でも根強いです。
その辺も踏まえておくとより理解が進むと思います。

とはいえ現代ではアーサー王と円卓の騎士という誉れ高い彼らを知るのも最高の娯楽でありましょう。
以下に主だった円卓の騎士を一覧にし、ザックリとですが解説を入れてみたいと思います。

アーサー

魔術師マーリンの計らいで一介の騎士により市井で育った前王の遺児。
岩に刺さった王者の剣を引き抜き、ブリテンから異民族を追い払うことで王として認められた。
3人の異父姉からは恨まれているが、そのうちのひとりとの間にモードレッドという息子を設ける。が、彼によりアーサーの治世も終わることになる。
聖剣エクスカリバーを持つが、異父姉のひとりに鞘を捨てられたことで不死ではなくなった。
多くの騎士たちからの忠誠を得た騎士王。

ランスロット

アーサーを助けたバン王の息子。フランス人。
湖の妖精に育てられたため「湖の騎士」と呼ばれる。
勇気、武勇、正義感から円卓の中で「第一の騎士」とされる。
多くの物語で活躍するも終盤、アーサー王の妻である王妃グィネヴィアとの不倫関係により円卓崩壊の原因となる。
グィネヴィアが誘拐された際、荷車に乗って救出に現れたことから「荷車の騎士」とも呼ばれる。
竜退治にも使った名剣アロンダイトを持つ。

ガウェイン

アーサーの異父姉モルゴースの子でアーサーの甥にあたる。
アグラヴェイン、ガヘレス、ガレスと4兄弟で円卓の騎士に列せられ、ランスロットと並び称された。
最期までアーサーと敵対した父ロット王と、アーサーを恨む母のため、忠義を尽くしても不当な評価をされていると感じている。
一年後に首を狩りに来る「緑の騎士」、醜女を妻にした「ガウェインの結婚」が有名。
終盤、弟たちをランスロットに56されてしまい、円卓の崩壊を招く要因となる。

パーシヴァル

アーサー王伝説の後半を占めるメインストーリー「聖杯探索」の主役。
円卓の騎士であるペリノア王の息子で、何人かいる兄も円卓の騎士。
当初騎士にしたくない母の計らいで農夫として育つ。
が、騎士に憧れ鎧を持たぬままアーサーに騎士にしてくれと直談判に行き騎士となる。
聖杯に辿り着く3人の騎士のひとりで、聖杯を守護する聖杯騎士団の任に就くことから「聖杯騎士」と呼ばれる。

ガラハッド

ランスロットと聖杯を護る王の孫娘エレインとの間に生まれた子。
誰も座らない円卓の13番目の席に彼の名が浮かび上がり、呪いも恐れずに座った。
彼はパーシヴァル、ボールスと共に聖杯に辿り着いた3人の騎士のひとり。
その聖杯と聖なる槍を持って彼方の国サラスへ行き、そこで王となり1年後天に召された。
王にはパーシヴァルが就き、その報告にボールスひとりがキャメロットへ帰還することになる。

トリスタン

トリスタンとアイルランドの王女イゾルデの悲恋を描く、中盤の大河ロマン。
自分の使える王に対し、属国を強いるアイルランドの騎士を倒した際に毒に冒される。治せるのはその騎士の国の王女イゾルデだけとあり吟遊詩人に扮して会いに行くことに。その出会いで二人は恋に落ちるがイゾルデは自分の王と結婚することになる。
だが誤って二人はお互いに惚れる薬を飲んでしまい……
もともと独立した物語だったモノだが、後世に円卓の騎士物語として編入された。
そのため最も円卓との距離が遠い物語となっている。

ラモラック

ガウェインの父ロット王を56したペリノア王の息子。
いくつもの冒険を重ね、ついに彼はある一人の女性に恋をする。それはよりにもよってガウェインの母であり、アーサーの異父姉でもあるロット王の未亡人モルゴースであった。ガウェイン兄弟には父の仇の息子として恨まれ、しかも彼女とアーサーの間にはモードレッドという息子もいた。実るはずもない恋。
ところがモルゴースも彼に惹かれ、ついに褥を共にする時がきた。だがその時ガウェインの弟ガヘリスが母の首を斬ってしまう。ラモラックは後日森でガウェイン、アグラヴェイン、モードレッドにより56されてしまった。

ユーウェイン

母はアーサーの異父姉、妖妃モーガン。
ランスロット、ガウェインに並ぶ血統なのだが円卓の物語本筋にはあまり影響を及ぼさない。
アーサーの暗殺を企てる母を止め、各地へ冒険に出かけ武勲を欲し、辻切を繰り返す黒騎士を成敗したことでその未亡人と結婚し、未亡人を忘れて冒険に明け暮れ、絶縁を宣告された。
若さゆえ未熟な面の多い騎士であるが、アーサーの最後の戦いまで随行した。

ガレス

ガウェイン兄弟の末弟。
兄たちとは違い、湖の騎士ランスロットに憧れを持つ純粋な騎士。
しかし不義のかどで処刑されようとする王妃グィネヴィアを助けに来たランスロットによって、警備についていた彼は斬り56されてしまう。
その時の彼はランスロットに同情的でもあったため丸腰であった。
これが決定打となりガウェインは激怒。ランスロットとの溝は修復不可能域に達してしまった。

ボールス

パーシヴァル、ガラハッドと共に聖杯に辿り着いた三人の騎士のひとり。フランス人。
彼だけがキャメロットに帰還した。
能力的には並なのだが、彼は物語前半からアーサーの死後まで登場する数少ない登場人物のひとり。
ほとんどが伝説を傍観する位置におり、ランスロットとの縁も深い。
アーサーの死後は故郷ガリアの領主となった。

パラメデス

アイルランド王に仕える異国の騎士。回教徒(イスラム教)とされるが時代設定的にまだイスラム教は存在せず、12世紀ごろ(十字軍遠征時代)に作られた設定と思われる。
彼はトリスタンと恋に落ちる王女イゾルデに憧れていた。だが彼女にはその気がなく、トリスタンとの戦いにも敗れてしまう。
失意のまま冒険に明け暮れたが、その後再会したトリスタンとの間に友情が芽生え、キリスト教に改宗し、円卓に列席され、領地も得て余生を過ごした。
逆にトリスタンは許されぬ恋の果てに自滅してしまった。

アグラヴェイン

ガウェインの弟。
4兄弟の中で最も激しやすく、正義感も含め感情的になりやすい性格。
憎く思うランスロットの不義を暴こうとして、彼が王妃の部屋へ入ったところを現行犯と言って押し入った。
しかし返り討ちに遭いそこで命を落とす。
これが切っ掛けとなり円卓は崩壊を始める。
アーサーの息子であるモードレッドと最も仲の良い人物であるが、押し入った際モードレッドは彼を押しのけひとり逃げ延びた。

ペリノア王

怪物退治を目的にアーサーの馬を奪い、後日果し合いの末、彼の聖剣エクスカリバーを折り、アーサーに勝った人物。
しかしアーサーの正体を知り、身勝手な自分を反省してからはアーサーに尽くす騎士となる初期の第一の騎士。
アーサーの王国統一を阻害する最後の敵ロット王を倒したのも彼である。
アーサーの良き相談役として活躍したが後年、父の仇としてロット王の息子であるガウェインにより倒されてしまった。

ケイ

アーサーの育ての親である騎士エクターの実子。
アーサーとは兄弟同然に育ったが、アーサーが王となった後は彼に仕え「厨房長」としてキャメロットのバランスを保つ役割に徹した。
自身は冒険に出かけることはなく、常に城を守る側におり、皮肉や冗談で騎士や王妃を笑わせ、あるいは怒らせたりしながら安住の地を演出し続けた。
そんな道化を演じる彼に多くの人々が救われたのだ。
アーサーが王になった頃から最終決戦まで、戦場では常に彼の傍らで剣を振るい続けた。
しかし彼の生死については諸説入り乱れ判然としない。

ベディヴィア

最期までアーサーの傍に仕えた近衛騎士。
若いころ左腕を失ったため、冒険や戦場の前線に出ることをアーサーに禁じられ、王の護衛を含む傍仕えに任命された。
アーサーの死を看取った唯一の人物。
彼に聖剣エクスカリバーを湖に投げ込めと言われたが出来ず、行っては戻りを3度繰り返した。
3度目にしてようやく務めを果たし戻ると、アーサーは小舟に乗り、姉である妖妃モーガンに抱かれながら妖精郷アヴァロンへと旅立っていくのを目撃した。

モードレッド

アーサーと彼の異父姉モーガンの息子。
モーガンはアーサーを恨んでおり、新婚の王妃グィネヴィアから自分にアーサーの目を向かせてやろうと意図して誘惑した。その結果の子であった。
マーリンはこの子は災いを生むと察したが、誕生日以外どこの誰がアーサーの子かわからなかったため、その日に生まれた赤子を残らず海に流して〇害した。
しかしモードレッドは運よく生き延び、アーサーは彼を円卓に指名した。
しかしモードレッドの功名心と野心は抑えきれず、最後はアーサーに反逆し親子ともども倒れアーサー王の時代は幕を下ろした。

終わりに

いかがだったでしょうか。

アーサー王の物語にはこの他にも多くの登場人物がいます。
もちろん騎士だけでなく魔術師や魔女、妖精やドラゴン、巨人だけでなく、魅力的な女性もまた数多くです。
物語の縦軸としてはアーサーの誕生から王になり、各円卓の騎士の物語と聖杯の探求があり、そして崩壊と終焉の最終決戦が語られます。
無敵の円卓の騎士たちでしたが、実は真の敵は内に潜んでいました。
そのあたりの人間関係はまた複雑で、ひとまとめに語れるものではありません。
いずれまた個別にこの壮大な騎士物語をご紹介したいと思います。

それでは、また!

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この記事を書いた人

漫画家になりたくて毎週のように出版社へ持ち込みをしてた人。
ケータイ用ミニゲームイラスト、アンソロジーコミック経験有。
執筆したファンタジー小説を投稿サイトにて公開中。

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